
<施設見学レポート>高齢者向け施設の見学レポート
サービス付き高齢者向け住宅
クイーンヒル目白台

外観(クイーンヒル目白台HPより)

外観
文京区初のサービス付き高齢者向け住宅
「クイーンヒル目白台」は、東京大学目白台キャンパス跡地の土地有効活用事業として、三菱地所レジデンスと三菱地所が共同で企画・開発した複合ヘルスケア施設「Tonowa Garden(トノワガーデン)目白台」に開設された文京区初のサービス付き高齢者向け住宅だ。
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地域をむすぶ複合ヘルスケア拠点
この施設は、「SUSTAINABLE COMMUNITY CAMPUS~地域をむすぶ、世界に広がる、未来へつながる。」をコンセプトに、医療・看護・福祉・教育・子育て支援・地域交流を融合した持続可能なヘルスケアコミュニティの形成を目指している。施設内には、東京大学大学院医学系研究科附属の「GNRCオープンラボ」や訪問看護ステーション「東大看護ステーション目白台」、地域密着型クリニック「ふくろうクリニック目白台」、調剤薬局「目白台薬局」、リハビリ特化型デイサービス「元氣ジム目白台」、介護付有料老人ホーム「アリア護国寺」などの医療・介護・福祉サービスが集約されており、乳幼児から高齢者まで幅広い世代の健康と暮らしを支える体制が整っている。また、防災面にも力を入れており、防災備蓄倉庫やかまどベンチ、マンホールトイレの設置、「三菱地所グループの防災倶楽部」 による防災訓練など、地域一体の防災コミュニティ形成にも取り組んでいる。
「クイーンヒル目白台」は、この複合施設の中核を担うサービス付き高齢者向け住宅として、地域と共生し、多世代・多様なライフスタイルに対応できるコミュニティ拠点の一翼を担っている。運営する株式会社コミュニティネット(以下、コミュニティネット)は、「ゆいま~る」や「和気ハウス」シリーズなど自立型から介護型までの多様なシニア住宅運営の実績があり、高齢者の自立支援、地域交流、多世代共生を軸に総合的な生活支援サービスを展開している点が特徴だ。
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バリアフリー設計と安心設備が整った快適な住空間
居室数は80室で2階から5階が住宅スペースとなっており、全居室がバリアフリー仕様となっている。居室面積は30㎡から50㎡まで幅広く、一人暮らしからご夫婦でのご入居まで、ライフスタイルに合わせた多様な間取りを用意している。
各居室には、自炊に便利な2口IHクッキングヒーターやスライド式キャビネット、浴室、トイレを完備しており、シンプルでありながらシニアが快適に暮らせる設計となっている。また、セコム株式会社の緊急通報装置(ペンダント型・空間センサー)を設置しており、万が一の際には24時間体制でスタッフが駆けつけるなど、安全面にも配慮している。モデルルーム(家具・家電は備えつけではありません)
居室
居室
居室キッチン
緊急通報ボタン(マイドクタープラス)
居室浴室
居室トイレ
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日常にゆとりと安心をもたらす多彩な共用部
共用部は廊下幅も広く、全体的にゆったりとした設計となっている。ダイニング、ラウンジ、ライブラリー、ジム、和室、スタジオ、防音室など、多彩な設備が整備されており、いずれも入居者が自由に利用できる快適な空間だ。特に和室は、近隣大学の箏曲部や茶道部とのコラボレーションによる活用も検討されている。また、ゲストルーム(1泊4,000円)として利用することも可能だ。
さらに、複合施設である点から、入居者同士だけでなく、地域住民や各施設利用者とも交流が生まれやすい環境となっている。クリニックや学童保育、デイサービスなど、多様な世代や背景を持つ人々が日常的に行き交うことで、自然なふれあいや新たなつながりが生まれ、より豊かで開かれたコミュニティの形成が期待される。エントランス
ラウンジ
ダイニング
和室
ルーフガーデン
ライブラリー
スタジオ
ギャラリー
ミーティングルーム
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医・食・健・歓をテーマにした充実のサービスとアクティビティ
「クイーンヒル目白台」のコンセプトは「医・食・健・歓」だ。医療面では、「Tonowa Garden目白台」内のふくろうクリニックや東大看護ステーション目白台と連携し、安心の体制を整備している。施設内に常駐する生活コーディネーターが入居者の日常生活を細やかにサポートし、将来的に介護が必要になった際も、住み慣れた居室で安心して暮らし続けられるよう、専門家との連携体制が整えられいる。
食事は施設内で調理され、昼食と夕食が提供されている(日曜日は提供なし)。入居者は事前予約のうえで、レストラン営業時間内にゆったりと食事を楽しめる。うどんやそば、カレーといったアラカルトメニューも用意している。イベント料理や施設内バーでの試飲会を開催するなど、食を楽しめる多様な企画が用意される予定だ。アクティブシニアの入居が多く、各居室にはキッチンが備えられているため、自炊をする入居者も多く、喫食率はそこまで高くない。
健康維持のためのラジオ体操、フレイル予防対応など、身体機能の維持・向上を目指した多様な取り組みが行われている。訪問時も、入居者の方々がスタッフと一緒に楽しそうに体操に取り組む様子が印象的だった。
趣味活動も盛んで、美術館長だった入居者による絵画講義や鑑賞会の開催、さらに映画鑑賞や読書、麻雀、季節ごとのイベントなど、入居者同士の交流を促す多彩な催しが行われている。9月には提携医療機関であるふくろうクリニックと共同でイベントの開催も計画している。
介護が必要になった際は、近隣の居宅介護支援事業所や「Tonowa Garden目白台」1階にあるリハビリ型デイサービス、訪問看護ステーションなど外部の介護事業者を利用しながら生活を続けることができる。重度の介護状態になった場合は、ご本人やご家族が希望されれば、コミュニティネットが運営する介護型ホームや、「Tonowa Garden目白台」内にある介護付有料老人ホーム(アリア護国寺)への住み替え等支援を行う(※住み替えには別途追加費用が発生する場合がある)。
サービス付き高齢者向け住宅としては珍しく、希望者には食事の好みや生活のイメージがつかみやすいよう、モデルルームでの体験入居(3泊4日、1万円+食事別)も受け付けている。ジムで体操する入居者
レストランメニュー例
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まとめ
入居者の平均年齢は84歳で、男女比は3:7、ご夫婦で入居している方もいる。文京区や世田谷区など近隣に住んでいる方や地縁のある方、お子さんが近くに住んでいる方が多い。慣れ親しんだ地域で活動的な暮らしを求めるアクティブシニアにとって、ヘルスケア施設が集約された複合施設の利便性や、入居者以外との外部交流、安心できる医療・生活支援体制は大きな魅力だ。
「クイーンヒル目白台」は、文化と教育の香り高い文京区という地域で、医療・看護・食・健康・娯楽を高水準で提供する施設だ。東大GNR※が提案するCCCRC型の先進的な住まいとして、人生100年時代にふさわしい新しい暮らし方に注目していきたい。※東大GNR:東京大学グローバルナーシングリサーチセンター(Global Nursing Research Center: GNRC)。看護・公衆衛生分野の活動・研究を通じて世界中のヘルスケア向上を目指す機関で、特に少子・超高齢社会におけるケアイノベーション開発研究や看護システム開発研究を推進している。
【施設概要】
- ● 住 所
- :
- 東京都文京区目白台3丁目28番10号
- ● 最 寄 駅
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- 東京メトロ有楽町線「護国寺」駅 徒歩7分(無料送迎あり)
- ● 種 別
- :
- サービス付き高齢者向け住宅
- ● 事業主体
- :
- 株式会社コミュニティネット
- ● 入居要件
- :
- 原則60歳以上、自立から要介護
- ● 居 室 数
- :
- 80室
- ● 居室面積
- :
- A~Iタイプ、30.24㎡~50.16㎡(1K~2DK)
- ● 入居金
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入居一時金762万円~8,540万円※年齢、性別、居室タイプにより異なる
敷金(家賃3ヶ月分)※月払い方式については要相談 - ● 月額利用料
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238,600円
(生活支援サービス費: 99,000円(一人入居の場合)、173,800円(2人入居の場合)+共益費: 45,000円+管理費94,600円)+食費(喫食分)+電気代:10,000円(一人入居の場合)、15,000円(二人入居の場合)、水道、ガス代(実費) - ● 公式サイト
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- 詳細については公式HPをご確認ください
https://queenhill.jp/
(2025年7月時点の内容です)
※このレポートの情報には細心の注意を払っておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。
また、このレポートはケアデザインが見学した施設の情報を簡易にまとめたものであり、
これをもって当方による推薦・紹介等を意図したものではありません。