menu
ホーム施設見学レポート > オリーブ・宝塚

<施設見学レポート>高齢者向け施設の見学レポート

介護付有料老人ホーム

オリーブ・宝塚

外観(ケアデザイン室撮影)

パーキンソン病専門の介護付有料老人ホーム

 「オリーブ・宝塚」は、株式会社スーパー・コート(以下、スーパー・コート)が運営する介護付有料老人ホームである。スーパー・コートは、全国にホテルを展開するスーパーホテルグループに属し、大阪を中心に兵庫、京都、奈良に52棟の有料老人ホームを展開している。今回訪問した「オリーブ・宝塚」は、2022年4月にオープンした同社初の「パーキンソン病専門住宅」だ。これまでスーパー・コートでは、パーキンソン病患者のためのフロアを設けた有料老人ホームは運営していたが、パーキンソン病患者のみを対象とした有料老人ホームは第一号となる。入居の対象は、パーキンソン病や神経性難病(※施設概要 入居要件参照)の指定を受けた方のみとなるため、詳細については施設にご確認いただきたい。

  • 入居者の暮らしやすさや健康に配慮した設備を設置

     「オリーブ・宝塚」は、阪急今津線の「小林」駅から徒歩約8分という立地にあり、小さな商店が並ぶ住宅街の中に存在する。建物は4階建てで、ダークブラウンとベージュを基調とした落ち着いた外観の佇まいとなっている。ホーム内は、エントランスホールやロビー、レストラン、廊下などの空間をゆったりと広くしており、歩行が不安定なパーキンソン病の入居者や車いすの方も移動しやすく安心な環境だ。その他にリハビリルーム、健康管理室、理美容室、リビングルーム、大浴場、特別浴室、個別浴室、ゲストルームなどの共有部があり、入居者が集まるレストランには、医療機関にも採用されている「光触媒空気清浄システム」が設置され、感染症対策や清潔な空気へのこだわりが感じられる。

    エントランスホール(ケアデザイン室撮影)

    ロビー(ケアデザイン室撮影)

    レストラン(ケアデザイン室撮影)

    廊下(ケアデザイン室撮影)

    リビングルーム(ケアデザイン室撮影)

    理美容室・光触媒空気清浄システム
    (ケアデザイン室撮影)

     居室は全室個室で、広さ20.40㎡~20.53㎡の1Rタイプとなっている。居室にはトイレと洗面台が設置されており、介護ベッドとエアコン、緊急コール(ベッドサイドとトイレの2か所)も設えつけられている。天井には「珪藻土」が使用され、調湿性や脱臭、断熱効果などによる心地よい空間を演出している。また、浸透力や抗酸化力に優れ健康維持に有用性を持つことが証明されている「健康イオン水」が採用されるなど入居者への健康に対するきめ細やかな配慮がなされている。

    居室ベッド(ケアデザイン室撮影)

    健康イオン水(ケアデザイン室撮影)

  • パーキンソン病に特化したリハビリテーション

     1階のリハビリルームでは、リハビリ病院で知識や経験を積んだ理学療法士や作業療法士、言語聴覚士からパーキンソン病に特化したリハビリが受けられる。進行性の病気であるパーキンソン病は、いかに身体機能や生活動作を維持していくかが重要となってくるが、「オリーブ・宝塚」では、入居者一人ひとりの状態に合ったリハビリプログラムがマンツーマンで実施されている。身体機能の維持・向上だけでなく、日常動作に対するアドバイスや福祉用具の選定、誤嚥性肺炎を予防するための嚥下アプローチなどパーキンソン病に精通した良質なリハビリやサポートが受けられるため入居者の心強い存在となっている。

    リハビリルーム(ケアデザイン室撮影)

  • 専門医や看護師による安心の医療体制

     日常的な健康管理は、24時間ホームに常駐する看護師がおこなっている。理学療法士や介護スタッフと連携し、毎日の生活動作がリハビリ訓練となるよう看護師もサポートしていく。医療面は、提携クリニックの神経内科医が訪問診療をおこない、継続的に医療をサポートする。入院や専門的な検査、高度な医療等が必要な場合も、協力医療機関と連携しているため安心な体制だ。また、パーキンソン病患者にとって特に大切な服薬管理や投薬調整などは、薬剤師が看護師、医師と連携しながら入居者ひとり一人に合わせた対応をしてくれる。「オリーブ・宝塚」は、パーキンソン病に精通した医療のサポート体制が整っているため、入居者だけでなく離れて暮らすご家族も安心できる。

  • ホテルのサービスを有料老人ホームで

     「オリーブ・宝塚」は、運営元であるスーパーホテルグループの強みを活かしたサービスを取り入れているのも特徴的だ。受付には、グループが実施するホテルスタッフ研修を受けたコンシェルジュがご入居者やお客様をお迎えし、ホテルライクな接遇やサービスの提供がなされている。大浴場では、スーパーホテルから取り寄せた「天然温泉 秀吉ゆかりの湯」を使用しており、温疲労回復や神経痛、関節痛などの効果が得られると入居者から大変好評を得ているようだ。また、生活の楽しみとなる毎日の食事であるが、一番食する機会が多いお米を京都で人気の「八代目儀兵衛」でセレクトされたものを使用するなど入居者の満足度を高めている。

    受付・コンシェルジュスタッフ
    (オリーブ・宝塚HPより)

    大浴場 (オリーブ・宝塚HPより)

  • まとめ

     高度な医療ケアを必要とする高齢者施設は医療法人などが運営することが多いが、「オリーブ・宝塚」は運営元が大手ホテルチェーンのスーパーホテルグループであることに注目したい。一般的に、医療特化型の高齢者施設は、医療ケアが重要視され、建物・設備のクオリティや暮らし・サービスの充実度は二の次となってしまう傾向にある。今回訪問した「オリーブ・宝塚」は、費用を抑えつつホテル運営で培った安全で過ごしやすいハードと医療サービス、ホテルライクな暮らしなどのソフトの両面においてクオリティの充実を図っている。2022年4月のオープンから5か月程だが、すでに入居率は80%を超え、入居の問い合わせも多いという。
     パーキンソン病患者専用の高齢者施設は全国的にもまだ数が少なく、大変貴重な存在と言える。スーパー・コートとしては、パーキンソン病患者専門住宅の需要の高さを実感し、今後もパーキンソン病専門の有料老人ホームを拡大していきたい考えだ。関西エリアを中心に開設していく予定とのことだが、スーパーホテルのように全国規模に展開されることを期待していきたい。

【施設概要】

住  所
兵庫県宝塚市光明町30-12
最 寄 駅
阪急今津線「小林」駅より徒歩約8分
種  別
介護付有料老人ホーム
事業主体
株式会社スーパー・コート
入居要件
<対象疾患>・パーキンソン病(ヤール3以上) ・進行性核上性麻痺 ・大脳皮質基底核変性症 ・多系統萎縮症 ・脊髄小脳変性症 
<要介護度>要支援・要介護
居 室 数
62室(定員62名)
居室面積
20.40~20.53㎡
入居金
なし
月額利用料
179,400円(内訳:家賃40,000円、管理費80,000円、食費59,400円)
公式サイト
https://www.supercourt.jp/facility/hyougo/olive_takarazuka/

(2022年9月時点の内容です)

※このレポートの情報には細心の注意を払っておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。
また、このレポートはケアデザインが見学した施設の情報を簡易にまとめたものであり、 これをもって当方による推薦・紹介等を意図したものではありません。