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<施設見学レポート>高齢者向け施設の見学レポート

介護付有料老人ホーム

ホスピタルメント青山・ホスピタルメント四谷大京町

「ホスピタルメント青山」外観

「ホスピタルメント四谷大京町」外観

医療法人桜十字グループによる介護付有料老人ホーム

 医療法人桜十字グループは、2005年熊本県の桜十字病院を皮切りに、現在では九州に11棟(介護老人保健施設含む)の病院と、九州、関西、都内に有料老人ホーム「ホスピタルメント」を16棟展開している。
 病院事業からスタートした桜十字グループだが、病院を運営する中で、医療や介護が必要な高齢者が安心安全で、豊かな生活を送れる場所が必要と感じ、「病院にいるような安心感」と「自宅にいるような心地よさ」を追及した高齢者住宅事業を立ち上げた。
 今回は、高齢者住宅事業を運営する株式会社桜十字(以下、桜十字)に、数年で事業拡大を実現しているホスピタルメントの魅力を伺いたく、2022年4月に開設された「ホスピタルメント青山」と、開設から1年が経過している「ホスピタルメント四谷大京町」を訪問した。

  • ホスピタルメント青山 ~構造・設備・居室~

     「ホスピタルメント青山(以下、青山)」は、表参道駅より徒歩7分の好立地にあり、青山学院大学青山キャンパスと隣接している。建物は6階建てのマンションのような造りで、外観はシックなダークブラウンを基調とした、周囲の街並みに馴染むようなデザインになっている。外壁の格子やエレベーターには桜十字をイメージした桜のモチーフがあしらわれ落ち着いた華やかさを感じる。
     入居条件は60歳以上の自立から要介護の方で、看取りまで対応している。開設から2か月あまりで、定員53名のところ約半数が契約済みという。渋谷区や港区など近隣の方が多く、自宅と行き来しながら暮らしている方もいるそうだ。また看護師が24時間常駐しているため医療機関からの問い合わせも多く、病院から直接入居するケースも増えている。コロナ禍において運営に苦戦している事業者が多いが、手厚い医療ケア体制を武器に近隣病院との連携も深めているようだ。

    外観(格子)

    廊下

     居室は広さや方角に応じて11タイプがあり、おひとりで居室を広く利用したいという要望に応えられるよう、コネクトが可能な居室も一部そろえている。居室には、介護ベッド、トイレ、洗面台、エアコン、緊急コール(ベッドサイドとトイレの2か所)が設置されている。ホスピタルメントの標準仕様として、介護ベッドは桜十字とパラマウントベッドが協同で制作した明るいスタイリッシュなデザインとなっている。また、トイレは車いすから移動がしやすいよう、便器の角度が3度入口側に傾いており、さりげないこだわりを感じる。
     「青山」の特徴として、2階居室(10室)はペットとの入居が可能な点があげられる。ペットの受け入れが困難な施設が多い中、大切なペットと離れることなく暮らすことができる点は魅力だ。ご自身が飼っていない場合でも、動物と触れ合いたいという意向で2階居室を選ばれている方もいるという。飼育が難しくなった場合にはホームのスタッフが追加費用にてフォローする体制を整えているので安心だ。一般の方とペットの出入り口を分けているため、動物が苦手な方も抵抗感なく暮らせる。

    居室ベッド

    居室トイレ

  • ホスピタルメント青山 ~共用部・サービス~

     1階は全て共用部で、オープンキッチンが印象的なダイニングルームでは、食事を匂いや音でも楽しめるように工夫している。そのほか、個浴が3室と機械浴が1室設置されているが、個浴の1室はお元気な方が抵抗なく入浴できるように敢えて一般住宅と同じユニットバスを備えている。また、月に1度千葉県の富里温泉から運び湯をしており、温泉浴を楽しむことができる。お元気な方から重介護の方までリラクゼーションの機会となっているようだ。
     2階には、理学療法士や作業療法士がリハビリを行なう機能訓練室とペットも入室できる面会用ラウンジ、トリミングルームがある。機能訓練室では車いすのまま利用ができる有酸素運動マシンも導入している。腰痛や膝痛など運動器に不安を抱えている方や、脳梗塞等の脳血管疾患による麻痺や関節の拘縮がある方、入院中の体力低下などにより、リハビリを強く望まれている方が多く、ホスピタルメントではそういった要望に応える形で桜十字グループのノウハウを生かしたリハビリに注力している。常駐のリハビリ専門職によるオーダーメイドのトレーニングや、全国的にも数少ない言語聴覚士が都内9か所のホームを巡回し、発声や飲み込み訓練、食事の評価などを行なっている。

    オープンキッチン

    浴室

    トリミングルーム

    機能訓練室・ラウンジ

    【施設概要】

    住  所
    東京都渋谷区渋谷4-3-3
    最 寄 駅
    東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道」駅より約500m/徒歩7分
    種  別
    介護付有料老人ホーム
    事業主体
    株式会社桜十字
    入居条件
    原則60歳以上、自立・要支援・要介護
    居 室 数
    53室(定員53名)
    居室面積
    20.1~25.69㎡
    入居金
    ◎入居一時金プラン
    2,688~2,988万円(満75歳以上の方の標準額)
    ※別途入居準備金30万円必要
    ◎月払いプラン
    0円(敷金として60万円発生)
    ※別途入居準備金30万円必要
    月額利用料
    ◎入居一時金プラン
    299,280~249,280円
    (内訳:家賃相当額、食費、介護サポート費、管理費)
    ◎月払いプラン
    747,280円
    (内訳:家賃相当額、食費、介護サポート費、管理費)
    ※「自立」の方は、別途生活サポート費として月203,700円が必要
    詳細については公式HPをご確認ください
    公式サイト
    https://www.hospitalment.co.jp/aoyama/

    (2022年6月時点の内容です)

  • ホスピタルメント四谷大京町 ~構造・設備・居室~

     「ホスピタルメント四谷大京町(以下、四谷大京町)」は、3路線からアクセスが可能で、外出や家族・友人の来訪にも便利な場所にある。ホームの周囲は住宅に囲まれた静かな環境となっている。建物は地下1階・地上4階建てで、館内はブラウンの色味で統一され落ち着いた空間となっている。フロアごとに壁紙やインテリア、絵画を使い印象を変えることで入居者が分かりやすいよう工夫している。ホスピタルメントシリーズのデザインは全て本部のデザイン部が担当し、各ホームのコンセプトに合わせて整備している。

    エントランス

    廊下

     入居条件は「青山」と同様、60歳以上の自立から重介護の方。定員65名のところ、約40名の方が入居している。入居者はホーム近隣の方が多く、口コミや紹介による入居も増えているという。また、退院後のリハビリや体調が安定するまでの間、ご家族のレスパイト目的などで利用されるケースもある。こちらにも看護師が24時間常駐し、医療ケアが必要な方も安心して暮らすことができる。開設から1年が経過し看取りにも積極的に取り組んでいるため、最期の時間を一緒に過ごせるようにとご夫婦やご兄弟姉妹で入居される方もいるそうだ。介護や医療ケアが必要な方にとって安心感のある住まいと言える。
     居室は広さや方角に応じて8タイプがあり、設備は「青山」と同じ仕様となっている。「四谷大京町」では、ご夫婦やご兄弟姉妹など2人で入居を希望される方のために、広い居室を用意している。

    一人居室

    二人居室

  • ホスピタルメント四谷大京町 ~共用部・サービス~

     地下1階にあるダイニングは吹き抜けとなっており、1階から外の日差しが入り込むため地下とは感じさせない明るさや開放感がある。オープンキッチンのため厨房の様子がよく見え、食事で五感を刺激する仕組みが感じられる。また、4階にはリハビリルームと足浴スペースがあり、足浴は富山県の温泉から運び入れた、岩盤浴に使用される天然石で楽しむことができる。

    ダイニング

    足浴スペース

     4階のテラス・屋上庭園では、様々な植栽のほか、トウモロコシ・いちご・人参・トマトなど野菜や果物も栽培している。丁寧に手入れが行き届いた色とりどりの花壇は気持ちがよく、癒しの空間となっている。週1回招いた講師と入居者が一緒に植え付けからはじめ、野菜や花が実るとそれを収穫し、調理して食したり手工芸に使用するなど園芸療法に力を入れている。土に触れ、植物とのかかわりを通して五感を刺激することで、心身機能の維持、向上、脳の活性化などの効果をもたらしている。
     また、ホスピタルメントでは食事にもこだわっており、ホテル出身の料理人と管理栄養士が献立を提案しているため、入居者の要望や意見をすぐに反映できる環境となっている。月に1回47都道府県の郷土料理や四季の彩りと香りをテーマにした四季彩膳などのイベント食を実施しており、入居者から好評を得ている。桜十字病院で実践されてきたノウハウを活かし、栄養サポートチームによる「口から食べるプロジェクト」にも力を注いでいる。料理人や管理栄養士のほか、リハビリ専門職、看護師、介護士、ケアマネジャーが連携し、食べることへのアプローチを追及しており、一部のホームでは胃ろうから経口摂取へ移行した方もいるそうで、桜十字グループの連携による取り組みの成果が感じられる。

    屋上庭園

    屋上庭園

    テラス

    【施設概要】

    住  所
    東京都新宿区大京町18
    最 寄 駅
    東京メトロ「四谷三丁目」駅より約560m/徒歩7分
    JR総武線・中央線「信濃町」駅より約880m/徒歩約11分
    種  別
    介護付有料老人ホーム
    事業主体
    株式会社桜十字
    入居条件
    原則60歳以上、自立・要支援・要介護
    居 室 数
    61室(定員65名)
    居室面積
    19.2~34.3㎡
    入居金
    ◎入居一時金プラン
    1,800~2,100万円(満75歳以上の方の標準額)
    ※別途入居準備金30万円必要
    ◎月払いプラン
    0円(敷金として60~80万円発生)
    ※別途入居準備金30万円必要
    月額利用料
    ◎入居一時金プラン
    260,950円~210,950円(内訳:家賃相当額、食費、管理費)
    ◎月払いプラン
    560,950円(内訳:家賃相当額、食費、管理費)
    ※「自立」の方は、別途生活サポート費として月100,580円が必要
    詳細については公式HPをご確認ください
    公式サイト
    https://www.hospitalment.co.jp/daikyocho/

    (2022年6月時点の内容です)

  • まとめ

     都内9か所のホスピタルメントは、どこも都心の好立地に建ちアクセスの良さが抜群である。お元気なシニアに限らず家族や友人の来訪にも便利であり、買い物や娯楽施設も充実した環境にある。また、看取り期の入居や病院からの急ぎの入居相談などが多い点は、実際に看取りの実績が多くある信頼性、看護師やリハビリ専門職の常駐など体制の手厚さ、医療法人運営の安心感などがあるからだと考えられる。特に医療ケアが必要な方や終末期に不安を抱える方、またその家族にとって、ホスピタルメントは心強い存在であると感じる。
     2023年には新たに文京区千駄木に「ホスピタルメント千駄木別邸」、恵比寿に都内初の病院「桜十字白金リハビリテーション病院」を開設予定と、精力的に事業を拡大している。今後も病院事業のノウハウを活かしたサービス提供や、桜十字グループの医療機関との連携を強化した施設運営等に期待したい。

※このレポートの情報には細心の注意を払っておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。
また、このレポートはケアデザインが見学した施設の情報を簡易にまとめたものであり、 これをもって当方による推薦・紹介等を意図したものではありません。