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<施設見学レポート>高齢者向け施設の見学レポート

サービス付き高齢者向け住宅

グランヒル・ユニバ中銀 千里つくも台

外観(ケアデザイン室撮影)

敷地配置図(公式サイトより)

大学連携型のサービス付き高齢者向け住宅

 中銀インテグレーション(株)は2021年1月、大阪府吹田市の「グローバルビレッジ津雲台」内に「グランヒル・ユニバ中銀 千里つくも台」を開設した。国内では珍しい大学連携型のサービス付き高齢者向け住宅で、阪急千里線「山田」駅より徒歩4分、大阪モノレール「山田」駅より徒歩6分と、大阪市中心部や大阪空港へのアクセスにも優れた立地である。

 グローバルビレッジ津雲台(以下、ビレッジ)は、老朽化の著しい津雲台宿舎(大阪大学の学生寮、教職員寮)の建て替えに伴い誕生した“まち”で、総面積約7,200坪の敷地に、「外国人留学生・日本人学生混住型の学寮」「教職員宿舎」のほか、シニアレジデンスや商業施設等の「民間の付帯施設」が整備されている。
 ビレッジには、今回ご紹介するサービス付き高齢者向け住宅「グランヒル・ユニバ中銀 千里つくも台」(以下、グランヒル・ユニバ)のほか、パナソニックホームズ㈱の賃貸マンション「パークナードフィット津雲台」(99戸)、UDS(株)のシェアハウス「ライツアパートメント」(85戸)の住まい、脳神経内科・内科、整形外科・リウマチ科、泌尿器科等の各種クリニック、調剤薬局などで構成される「つくもゲート」、さらにフィットネスクラブや動物病院、カフェやコンビニなどで構成される「つくもスクエア」などがあり、学生寮や教職員寮も含めると1,200人あまりが暮らしている。

  • 地域のコミュニティとつながるアクティブシニア向けの住宅

     運営会社の中銀インテグレーション(株)は、日本で初めてシニア向け分譲マンションの開発を行った企業である。現在もシニア向け分譲マンションをシニア事業の中核としており、サービス付き高齢者向け住宅の運営は小田原市に続く2棟目となる。

    娯楽室(ケアデザイン室撮影)

     グランヒル・ユニバは、地上10階建ての1~6階の一部に開設された自立者向けの住宅で、外観は、1階がベージュ系、上層階が白で統一されたデザインとなっている。
     共用部は、1階のカラオケルームに加え各フロアの中央部に、コーヒーメーカーや新聞を備える「談話室」(2階)、映画鑑賞やテレビゲームが楽しめる「遊戯室」(3階)、マッサージチェアや外部事業者のマッサージが受けられる「静養室」(4階)、囲碁や将棋、ボードゲームが楽しめる「娯楽室」(5階)など、フロアごとに異なるコンセプトのラウンジを設けている。共用部では、カラオケや脳トレ、映画鑑賞などのアクティビティが行われ、入居者同士の交流を活発化させるために毎回異なるフロアで実施している。

    遊戯室(ケアデザイン室撮影)

    静養室(ケアデザイン室撮影)

  • 地域にも開放されているコミュニティレストラン

    日本のいいもの食堂 ハレとケ
    (ケアデザイン室撮影)

    日本のいいもの食堂(ハレとケHPより)

     1階にある「日本のいいもの食堂 ハレとケ」は地域にも開放されているコミュニティレストランで、ビレッジ内で調剤薬局や訪問看護ステーションを運営する共和メディカルグループが運営している。カフェのようなおしゃれな店内で提供されるメニューは、ハレ=“特別な日”と、ケ=“日常”をテーマにした食事で、見た目も華やかな手毬寿司やこだわりのまぐろ丼、目の前で炊き上げる銅羽釜ご飯と選べるおかずなど、食材や器にもこだわっている。
     入居者はここで昼食と夕食を食べることができ、通常メニューを割引価格で利用できるほか、入居者専用のメニューからもセレクトができる。テイクアウトもできるため、自室に持ち帰りゆっくり食べる方もいるようだ。

  • さまざまなタイプを揃えた住戸のラインナップ

    居室(ケアデザイン室撮影)

    ミニキッチン(ケアデザイン室撮影)

     住戸は30㎡を中心に、24㎡台の1Rから41㎡台の1LDKまでさまざまなタイプを揃えている。各居室にはミニキッチンと浴室が完備された自立者向けの仕様となっており、ご夫婦で入居できる居室も5室ある。人気があるのは24㎡台のコンパクトなタイプで、ライフステージの変化に合わせて住まいをダウンサイジングされる方が多いようだ。
     現在の入居者の平均年齢は85歳で、自立の方が約半数。要支援、要介護認定を受けている方でも身の回りのことができる方は入居が可能で、地域の介護サービスを使いながら暮らしている。吹田市をはじめ、大阪市、豊中市などからの転居が多く、呼び寄せのほか賃貸マンションとの二世帯住宅を検討する親子もいるようだ。

  • 健康に不安がある方も多様なサービスでサポート

    安否確認のプレート(ケアデザイン室撮影)

    災害の際の安否確認プレート(ケアデザイン室撮影)

     グランヒル・ユニバには、24時間スタッフが常駐しており、緊急時の対応も迅速に受けることができる。また、日常のちょっとした困りごとも相談できるので安心だ。日々の安否確認は居室前のプレートで行なっており、スタッフが毎日確認している。災害時専用のプレートもあり、震度5以上の地震の際も安否確認に活用されている。
     お元気な入居者が多いとはいえ、高齢になると健康に不安を感じている方も少なくないが、ビレッジ内には、各種クリニックが揃う医療ゾーンに加え、隣接する訪問看護事業所「あかり訪問看護ステーション」が運営する「みんなの保健室」もあり、病院で診察を受けるほどではない健康上の悩みにも気軽に応じてくれる機能が揃う。また、グランヒル・ユニバでは、「あかり訪問看護ステーション」から月2回看護師が訪問し、健康相談も実施している。介護についても、近隣に地域包括支援センターがあるため、気軽に相談ができる環境だ。

  • 大阪大学との連携

    大阪大学キャンパス(大阪大学HPより)

    大阪大学図書館(大阪大学HPより)

     2020年12月、グランヒル・ユニバに入居したシニアが阪大生との交流や、イベント・講義への参加などが図れるように中銀インテグレーションと大阪大学人間科学研究所との間で「オムニサイト協定」が締結された。大学の共生会員(別途年会費)になることで図書館の利用が可能となるほか、現在は定期的に人間科学部やサッカー部の学生との交流を楽しんでいる。
     今後は「共生社会」をテーマとしたワークショップのほか、阪大生・留学生を招いてのゲーム大会、さらには大学の講義・セミナ―への参加も予定されているが、現在はコロナ禍で学内の立ち入りが制限されているため、積極的な交流はまだ先になると思われる。

  • まとめ

     コミュニティレストランの前で毎朝行われているラジオ体操では、「いってらっしゃい」「いってきます」の声が響く。保育園や幼稚園に向かう小さな子供たちとのやり取りを楽しみにしているシニアも多いようだ。
     ビレッジには、阪大生はもとより、外国人留学生や教職員、さらには単身者、ファミリー、高齢者まで、多様性に富んだ1,200人もの方が暮らしており、多世代・異文化交流が行いやすい環境にある。ご入居者が、まちのさまざまな活動を通して地域住民との交流を深めることで、まちの一員としての役割を果たすと同時に、お互いの多様性(年齢や性別、国籍、障がいの有無等)を認め尊重し合う豊かなコミュニティの実現につながるのではないかと考える。
     また、大阪大学との関わりを強めていくことで、学習意欲や好奇心を持つ多くのシニアに学びの機会を提供する等、「大学連携型サービス付き高齢者向け住宅」としての取り組みがさらに進むことを期待したい。

【施設概要】

住  所
大阪府吹田市津雲台5丁目11番1-3号
最 寄 駅
阪急電鉄千里線「山田」駅西口まで約310m / 徒歩4分
大阪モノレール「山田」駅まで約450m / 徒歩6分
種  別
サービス付き高齢者向け住宅
事業主体
中銀インテグレーション株式会社
入居要件
60歳以上の方で自立生活が可能な方、
身元引受人・連帯保証人を立てることのできる方
居 室 数
55戸
居室面積
23.04~41.02㎡
敷  金
賃料の3ヶ月分相当(327,000円~579,000円)
月額利用料
◎賃料:109,000円~193,000円(水光熱費含む)
◎生活支援サービス費:一人入居38,500円 二人入居57,750円(税込)
◎共益費:14,000円~16,000円(非課税)
詳細については公式HPをご確認ください
公式サイト
https://integration.nakagin.co.jp/ghu-senri/

(2022年4月時点の内容です)

※このレポートの情報には細心の注意を払っておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。
また、このレポートはケアデザインが見学した施設の情報を簡易にまとめたものであり、 これをもって当方による推薦・紹介等を意図したものではありません。