menu
ホーム施設見学レポート > クラーチ・ファミリア光が丘公園

<施設見学レポート>高齢者向け施設の見学レポート

介護付有料老人ホーム

クラーチ・ファミリア光が丘公園

外観(ケアデザイン室撮影)

カフェ(クラーチ・ファミリア光が丘公園」HPより)

有料老人ホームの新しい形

 東京・神奈川・千葉の1都2県で有料老人ホームを運営する株式会社クラーチ(本社:東京都港区。以下、クラーチ)は、2021年2月、クラーチシリーズ11施設目となる介護付有料老人ホーム「クラーチ・ファミリア光が丘公園」(以下、クラーチ光が丘)をオープンした。
 クラーチ光が丘は、新型コロナ感染症や防災対策を強化した災害対応型ホームというだけでなく、IoTを全室に導入し、施設のスマートホーム化を実現した。さらに、コロナ禍で生活に制限が続くなか、施設内でも五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を満たすことができるように“北欧モダン”をコンセプトにした豊かな住空間を提供している。例えば、建物に入るとまず目を引く、天然木栃ノ木のカウンター(触覚)や淹れたてのコーヒー(嗅覚)、旬の食材を取り入れたお食事(味覚)等により、五感を刺激する空間づくりの工夫がなされている。
 新型コロナウイルス感染症や自然災害によりこれまで以上に災害対策への必要性が叫ばれる中、独自の革新的なサービスを展開するクラーチの新たな取り組みについて伺いたく訪問した。

共用部(ケアデザイン室撮影)

機械浴室(ケアデザイン室撮影)

  • 感染症予防対策

     クラーチ光が丘では、感染症予防対策のために最新技術を導入している。玄関には、監視カメラと連動したサーモグラフィーにより非接触で入館者の体温計測を実施。エントランスにて顔認証及び体温チェックをおこなっている。
     1F共有部には、紫外線照射装置「エアロシールド」を5台設置。エアロシールドは、特殊なルーバー(仕切り板)構造により天井付近に紫外線ゾーンを形成するため、人が生活する空間でも安全に空気中のウイルスを除去することができる。
     また、建物内の換気には、熱交換形換気機器「ロスナイ」(三菱電機)を採用。換気の際に捨てられてしまう室内の温かさや涼しさを再利用しながら、1時間に3回空気が入れ替わる仕組みとなっている。
     さらにクラーチの親会社で病院や介護施設の運営支援等を手掛ける株式会社キャピタルメディカが昨年より提供している感染症アドバイザリーサービス「新型コロナトータルサポート」を採用し、医療従事者がガイドラインを遵守した運営体制を整え、「BBB(ビルド・バック・ベター)認定証」を取得している。

    監視カメラサーモグラフィ(ケアデザイン室撮影)

    熱交換形換気機器「ロスナイ」
    (ケアデザイン室撮影)

  • 防災対策

     ご入居者に安心・安全に生活していただけるよう、有事の際にも被害を最小限にする対策をおこなっている。まず、集中豪雨対策として、大雨や豪雨での浸水・冠水の被害を想定し、ホーム外周に80cmの「防水壁」を設置。必要に応じて「止水板」も設置することができる。災害時には1階から5階の排水は直接公共下水管に放流され、地下ピットに汚水を貯められるため、災害時でもトイレを利用することができる。集中豪雨が2週間続いても、下水や汚物の異臭から生活を守ってくれる。
     さらに、ホーム敷地内には、災害用トイレ(マンホールトイレ)があり、テントを設置して利用できる。また、災害用備蓄倉庫には、1~2週間分の水と食料を備蓄。停電時に備え非常用コンセント・ポータブル発電機をも導入済みのため、医療機器で電源が必要なご入居者への対応も万全だ。

  • IoTスマートホーム

     全室に株式会社リンクジャパンのスマートホームシステム「eMamo」を導入している。ご入居者の状態や各居室内の環境をスタッフがスマートフォンで操作し、確認することができるため、ご入居者お一人お一人の暮らしに合わせて環境を整えることができる。

    スマートカーテン

     スマートフォンでカーテンを開閉したり、タイマー機能を利用して、毎朝決まった時間に自動的にカーテンを開けることもできる。この自動開閉機能により、規則正しい生活をサポートし、睡眠の質を上げることに繋がる。2人部屋に入居されているご夫婦からは、「窓が複数ありカーテンの開け閉めが大変だから助かる」と好評を得ている。

    環境センサー

     温度、湿度、明るさ、人の動きの計4つのセンサーを搭載している。設定された室温を超えるとスタッフへアラートが届くため熱中症を予防することができる。他にも離床や不在、トイレを利用されている等、居室内の状況を外から確認し、事故などのトラブルにもすぐに対応することができるため安心感がある。

    スマートリモコン

     リアルタイムでエアコンの稼働状況をスマートフォンで確認することができ、遠隔操作も可能。また、スマートスピーカーと連携することができるため、それぞれのリモコンを使用することなく複数の家電をまとめて操作することもできる。例えば、「アレクサ、おはよう」と声掛けをすると、カーテンを開け、電気やエアコンをつける等の操作が自動で行える。

    開閉センサー

     ドアや窓の開閉を検知するとスタッフのスマートフォンにアラートが届く。検知する時間帯を設定できるため、スタッフの目が行き届きにくい夜間帯等の事故やトラブルを未然に防ぐことができる。

    居室・左上はスマートカーテン
    (ケアデザイン室撮影)

    開閉センサー(ケアデザイン室撮影)

    スマートフォンで操作
    (クラーチ・ファミリア光が丘公園」HPより)

    スマートリモコン(ケアデザイン室撮影)

  • まとめ

     クラーチでは、今回紹介したサービス以外にも、各ホームでIoTを活用した自社開発のサービスを展開している。
     ケア情報共有システム「LOOKぱっと」では、自社開発した介護情報記録システム「ユカリアケア」に記録された介護サービス記録をご家族が閲覧できるようにしている。コロナ禍により面会を控えているご家族に向けては、ご入居者のホームでの様子を写真や動画で共有し、入居者・ご家族・ホームのコミュニケーションの円滑化にも役立てている。
     また、フレイル予防にも力を入れており、iPadを使っておこなう認知症発症リスク低減プログラム「アタマカラダ!ジム」を導入し、生活の中で楽しみながらMCIリカバリープログラムを受けることができる。この1回約30分のプログラムを週2~3回実施することで認知症予防(6カ月で認知機能が33.3%改善)に繋げている。フレイル予防のもう一つの取り組みとして、低栄養を予防するための食事プログラム「MOG」も取り入れている。
     「人生100年時代」といわれる中、歳を取ることで人生を諦めるのではなく、いつまでも自分らしく「歳を重ねることが楽しい」と思い続けてほしいというコンセプトから、クラーチ独自の介護記録サービスの開発やIoTの積極的な導入など、時代に合わせた新しい取り組みを展開してきた。コロナ禍でニューノーマルと言われる状況の中で、これからも常に一歩先をいく新たな提案をし続けてくれることに期待し、注目していきたい。

    ※MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)という段階(グレーゾーン)があります。認知機能に問題が生じてはいますが、日常生活には支障がない状態のことです。健常者と認知症の中間にあたります。

【施設概要】

住  所
東京都練馬区田柄2-39-1
最 寄 駅
有楽町線・副都心線「地下鉄赤塚」駅より徒歩6分
東武東上線「下赤塚」駅より徒歩7分
種  別
介護付有料老人ホーム
敷地面積
1044.66㎡
延床面積
2299.00㎡
事業主体
株式会社クラーチ
権利形態
利用権方式
入居要件
原則、満60歳以上、要支援1,2 要介護1~5
居 室 数
54室
居室面積
18.00~45.78㎡
入 居 金
【前払い方式】 680万円~1,980万円
【月払い方式】 敷金(家賃相当額の2カ月分)32万4千円~82万8千円
月額利用料
【前払い方式】 224,460円~314,160円
【月払い方式】 326,460円~608,160円
※家賃相当額+管理費+食費(30日分概算)
公式サイト
https://www.kuraci.co.jp/house/famila/hikarigaokakoen/

(2021年11月時点の内容です)

※このレポートの情報には細心の注意を払っておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。
また、このレポートはケアデザインが見学した施設の情報を簡易にまとめたものであり、 これをもって当方による推薦・紹介等を意図したものではありません。