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<施設見学レポート>高齢者向け施設の見学レポート

介護付有料老人ホーム

アライブ世田谷下馬

外観(ケアデザイン室撮影)

アライブメディケアが手掛ける
“最高のサービス”を追求した介護付有料老人ホーム

 「アライブ世田谷下馬」は、2006年3月に世田谷区下馬に開設された介護付有料老人ホームである。アライブシリーズ(以下、アライブ)の中で6番目にオープンし、開設から15年を迎える歴史あるホームだ。
 ホームを運営するのは、セコムグループの株式会社アライブメディケアで、「すべては最高のサービスのために」という経営理念のもと、都市部を中心に12棟の介護付有料老人ホームを展開している。
 「アライブ世田谷下馬」は、アライブシリーズの中でもサービスの質に定評がある。2019年には、高齢者住宅経営者連絡協議会が主催する「リビング・オブ・ザ・イヤー2019」において、食事の常食化や要介護度改善等へ向けた取り組みが評価され、優秀賞を獲得した。また、2021年8月には、認知症への新たな取り組みとして、一般社団法人認知症高齢者研究所と国立大学法人電気通信大学等が協同で行う研究事業、「AIとIoTにより認知症高齢者問題を多面的に解決する東京アプローチの確立」(以下、東京アプローチ)に参画することを発表した。この事業は、認知症の方が安心して暮らせることを目指した研究で、今後「アライブ世田谷下馬」をはじめ一部のアライブにて調査・実証に協力する予定だ。今回は、入居者に対する熱心なサービスを追求し続けている「アライブ世田谷下馬」へ、その取り組みについて伺いたく訪問した。

  • 上質で穏やかな空間と地域に開かれた交流

     「アライブ世田谷下馬」は、東急東横線「学芸大学」駅から徒歩圏内の閑静な高級住宅地に建ち、落ち着いた環境が広がっている。駅から徒歩7分と交通アクセスが良いため、家族や友人の来訪にも便利な立地である。入居者の約半数が世田谷区と目黒区から入居されており、近隣にある自宅と行き来しながらお暮らしの方もいるそうだ。馴染みの地域で住み替える方がいる一方で、家族が呼び寄せるケースもあるとのこと。現在、入居者の平均年齢は90歳を超えており、介護度の高い方も多いが、アライブで唯一看護スタッフが24時間配置されているため、最期まで暮らし続けられる安心感がある。
     レンガ調の外観が特徴的な建物は、地上3階建、全62室(全室個室)で、アライブの中で最も規模が大きい。居室は広さに応じて5つのタイプがあり、介護ベッド、トイレ、洗面台、収納家具、エアコン、床暖房、緊急通報装置(ベッドサイドとトイレの2か所)が設置されている。
     各階には食堂やアクティビティの場となるリビングダイニング、個人浴室があり、2階と3階には車いすや横になったまま入浴できる機械浴室がある。1階のエントランスロビーから続く中庭には、入居者の育てている植物があり、日差しが気持ちよく入り込むため日光浴や散歩なども楽しめる。2階にも開放感あふれるウッドデッキがあり、ホームにいながら自然を感じることができる環境だ。それにより入居者は意識せずに歩いたり身体を動かしたりと積極的な活動につながると感じた。

    中庭(ケアデザイン室撮影)

    2階ウッドデッキ(「アライブ世田谷下馬」HPより)

    エントランスロビー(ケアデザイン室撮影)

    リビングダイニング(ケアデザイン室撮影)

     また、地域交流も盛んに行われており、1階奥にある町会会館では、町内会や認知症カフェを開催するなど、地域に開かれた運営も特徴的だ(現在コロナ対策のため休止中)。なかには町内会の参加者だった方が入居されるケースもあり、ホームと地域の隔たりのないアットホーム感も魅力的だ。認知症の取り組みも入居者だけでなく地域に向けて行なっており、月1回開かれている認知症カフェは毎回盛況で約30名の地域住民や入居者らが参加されている。認知症を含む高齢期の様々な悩み・疾患に関するセミナーや介護・医療に関する相談、参加者同士が想いや悩みを共有し交流する場として定着している。

    認知症カフェの様子
    (「アライブ世田谷下馬」HPより)

    認知症カフェの様子
    (「アライブ世田谷下馬」HPより)

  • その方らしさを尊重したこだわりの個別ケア

     「アライブ世田谷下馬」では入居者一人ひとりの個性や習慣、好みに合わせ穏やかに過ごせる環境づくりに取り組んでいるが、そこにはアライブのサービスの質、手厚い介護体制、食事、立地等へのこだわりや、入居者の個別性を尊重したきめ細かいサービスを追求しているスタッフの想いが込められている。
     アライブでは「Alive UP」と称した自立支援と個別ケアの取り組みを強化しており、食事や水分摂取、排泄、運動、減薬等に関するケアを実践している。なかでも「アライブ世田谷下馬」では、全員常食化への取り組みとして、厨房会社「ロイヤルコントラクトサービス」と、舌と上あごでつぶせる固さで常食と同じカロリーを摂取できる「常食B」を開発。見た目も楽しめて誰でも食事形態を段階的に向上できるよう工夫を凝らした。この実践により、実際に胃ろうから経口摂取に移行できた入居者もおり、取り組みの意義が感じられる。また、薬の副作用によるふらつきや転倒、便秘、せん妄等の身体への負担を軽減するため、処方の適正化への取り組みを推進している。協力医療機関「ふくろうクリニック等々力・さくら中央クリニック」の訪問診療時に、主治医、「セントラル薬局」の薬剤師、入居者の普段の様子を把握している看護スタッフ・介護士がそれぞれ連携することで、慎重に評価しながら減薬に成功している。
     また、入居者の声に応える形で実現しているサービスも数多くある。食事では入居者の要望をもとに取り入れた特別食(有料)を毎週提供し、イベントでは「屋台の日」を実施するなど食事の楽しみに工夫を凝らしている。さらに、大手コンビニエンスチェーンの「ローソン」と協働し行われている出張販売では、ホームにいながら自分の好きなものを目で見て選んで購入する買い物の楽しみを味わうことができる(現在コロナ対策により休止中)。アクティビティは毎日実施しているものとは別に、入居者の個別の要望に合わせた麻雀や合唱、園芸等の倶楽部活動(別途費用)を開催している(現在コロナ対策により一部オンライン開催するなどの対応をしている)。特に麻雀倶楽部は人気で、頭や指先を使うためルールを次々に思い出すなど脳の活性化にもつながっているようだ。

    常食B(「アライブ世田谷下馬」HPより)

    麻雀倶楽部(「アライブ世田谷下馬」HPより)

     そのほか具体的なケースとして、入居時はベッド上で過ごす時間が長かった方が、今では毎日歩行訓練をするまで意欲が回復された方もいらっしゃるそうだ。“近所の自宅まで歩いて行きたい”という目標に向かい、スタッフの傾聴による信頼関係の構築やメリハリのある生活を心がけたケアをしていくことで、一緒に奮闘しているというエピソードを伺い、入居者の心に寄り添った個別ケアの徹底ぶりが見受けられた。“入居時よりも元気になること“を目指し、生きがいを持ってその方らしく暮らせるよう、入居者の希望や目標を一緒に見出し、それに向かって毎日伴奏しているスタッフの姿に熱い想いが感じられる。
     今回、AIやIoTを活用した認知症の研究事業「東京アプローチ」へ参画することにより、入居者のより正確な状態把握、認知症状の緩和、危険予測などへつなげ、更なる自立支援と個別ケアの追求に期待が高まる。アライブならではの温かさをそのままに、より一層行き届いたサービスに注目だ。

【施設概要】

住  所
東京都世田谷区下馬6丁目29-22
最 寄 駅
東急東横線「学芸大学」駅より徒歩7分(520m)
種  別
介護付有料老人ホーム
事業主体
株式会社アライブメディケア
入居要件
入居時要支援・要介護
居 室 数
62室(定員63名)
居室面積
20.77~32.11㎡
入 居 金
◎一括払い方式
例)80~84歳:3,211万円~4,751万円(初期償却:15%、償却期間:6年)
◎年払い方式(1年ごと更新)
547万円~810万円(毎月均等償却)
◎月払い方式:0円(敷金として家賃の6か月分発生。退去時に返還)
※年齢や居室タイプにより費用は異なる
月額利用料
◎一括払い方式:329,500円~384,500円(管理費、食費、上乗せ介護費用込み)
◎年払い方式:一括払い方式と同様
◎月払い方式:785,400円~1,059,500円(家賃、管理費、食費、上乗せ介護費用込み)
※年齢や居室タイプにより費用は異なる
詳細については公式HPをご確認ください
公式サイト
https://www.alive-carehome.co.jp/home/setagaya-shimouma/

(2021年8月時点の内容です)

※このレポートの情報には細心の注意を払っておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。
また、このレポートはケアデザインが見学した施設の情報を簡易にまとめたものであり、 これをもって当方による推薦・紹介等を意図したものではありません。