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<施設見学レポート>高齢者向け施設の見学レポート

シニア向け分譲マンション

中銀ライフケア横浜〔港北〕

エントランス付近

せせらぎ公園からの外観

シニア向け分譲マンションのパイオニア

 「中銀ライフケア横浜〔港北〕」は、昭和40年代初頭より開発が進められた港北ニュータウンの一角に開設されているシニア向け分譲マンションである。住宅・都市整備公団(現「UR都市機構」)の民間活力の導入第一号モデルとして昭和63年にオープンしてから29年、暮らしを彩る豊富な共用施設と栄養バランスの整った食事の提供、24時間常駐の看護師や併設クリニックの医師による健康相談など、長年培ってきた事業ノウハウを強みにシニアの暮らしをトータルにサポートしてきた。

 事業を手掛けるのは、日本で初めてシニア向け分譲マンションを供給した企業としても知られる中銀グループ。中銀グループは、企画・開発・分譲を担当する「中銀コーポレーション㈱」と管理・運営を担当する「中銀インテグレーション㈱」、介護付有料老人ホームを運営する「中銀ライフケアホーム㈱」の3社を柱に構成されており、シニア向け分譲マンションの開発から、入居者に介護が必要となった時の受け皿となる介護施設の運営までを一貫して行っている。

周辺環境(公開空地)

周辺環境(せせらぎ公園)

  • 緑豊かな自然環境とアクティブシニアに快適な住環境

    敷地全体図

    緑道

     「中銀ライフケア横浜〔港北〕」(以下、ライフケア港北)は2万108㎡にも及ぶ広大な敷地を有し、西側には横浜市緑地保存地区、南側には横浜市街地環境設計制度の適用を受けた公開空地、さらには、港北ニュータウンの開発理念である「水と緑のまちづくり」にもとづいて造られた「せせらぎ公園」にも隣接する緑豊かな環境に立地している。「せせらぎ公園」は、既存の林などをそのまま活かした造りとなっており、鯉や亀、水鳥などが泳ぐ池や小川、竹林、桜並木など、四季折々の自然を楽しむことができる。「茅ヶ崎公園」、「早渕公園」まで続く緑道(総延長15km)は、入居者の朝の散歩コースとしても親しまれている。この豊かな自然環境と美しい景観を気に入り、購入を決められる方が多いようだ。

     最寄駅の横浜市営地下鉄ブルーライン「仲町台駅」までは徒歩約10分。駅周辺は、「ネオ・クラシック」をデザインテーマに整備されており、石畳みの遊歩道や街路樹の豊かな緑がヨーロッパの街角のような美しい街並みを形成している。暮らしに欠かせないスーパーやコンビニ、薬局、銀行などの生活利便施設も充実しているため、毎日の暮らしも快適だ。
     「仲町台駅」からは、横浜市中心部だけでなく東京都心へもスムーズにアクセスすることができる。ブルーラインの快速を利用すれば「新横浜駅」まで6分、「横浜駅」まで15分、「渋谷」、「新宿」などの主要都市にも30分程で行くことができる。
     また、施設の目の前から出るバスを利用すれば、港北ニュータウンの中核である「センター南」にもスムーズに足を運ぶことができる。「センター南」には、「港北TOKYU S.C.」や 「サウスウッド」などの大型ショッピングモールをはじめ、都筑区役所や公会堂、郵便局や銀行、映画館など、さまざまな商業施設や文化施設が集結しているため、ショッピングや趣味などを楽しみたいアクティブシニアにとって魅力的な環境であろう。

    モザイクモール港北

    港北東急百貨店

     シニア向け分譲マンションは、お元気な入居者が多いため、車を運転される方も多い。そのため、「ライフケア港北」でも60台分の駐車場を確保している。高齢になると狭い道路などの運転は難しくなってくるが、港北ニュータウン内は幅員の広い幹線道路が整備されているため、高齢者にも運転しやすい環境である。施設から約800mの位置に第三京浜道路の「都筑」ICがあり、「港北」ICや東名高速道路の「横浜青葉」ICにもアクセスしやすいためドライブも快適に楽しむことができる。

  • 日々の暮らしを彩る豊富な共用施設と
    自由にアレンジができる居室

    ラウンジ

    大浴場

     建物は、地上14階建・443戸の規模で、1・2番館と共用棟の3棟構成となっている。
     築29年経っているが、計画的に修繕も行われており、綺麗に整備されている印象を受ける。

     共用施設は、ロビー、ラウンジ、迎賓室、図書室、大浴場(男1、女1)などの憩いのスペースのほか、生活に便利な洗濯室、売店、喫茶、ゴミ置場(各階に設置。24時間利用可)、ATM(横浜銀行)、理美容室(週3回)などが揃う。また、茶室、ライフケアホール、サークルルーム、オーディオルーム、ホビー室、陶芸室など、仲間との交流や趣味の活動で賑わう共用部も多彩だ。これらの施設は、カラオケやゲストルーム(3室)などの一部を除き、無料で利用することができる。
     また、建物の1階には、協力医療機関の「田崎医院」と中銀インテグレーション㈱が運営する「ライブリーケア中銀仲町台」(「居宅介護支援事業所」、「訪問介護事業所」)も併設されている。

    リビング(居室)

    キッチン(居室)

     居室は、1LK(43.28㎡)~2LK(58.69㎡)までの全13タイプが揃う。どの居室も2人まで入居が可能(配偶者及び3親等以内の親族)となっている。
     室内には、玄関、キッチン(1口)、浴室、トイレ、洗面台、洗濯機置場、下足入、物入が標準装備され、リビング、トイレ、浴室には緊急コールも設置されている。廊下には一定時間動きが感知されないと自動で異常を知らせる人感センサー(12時間設定)も取り付けられている。異常時にはフロントと看護師が連携して対応にあたるため、もしもの時も安心だ。
     「ライフケア港北」は“所有権”のため、自由に室内をリフォームすることができるのも特徴だ。生活スタイルに合わせて和室を洋室に変更したり、築年数の経過に伴いキッチンや浴室を最新のものに交換したりする方が多いという。

     開設当初の販売価格は4,000万円台が中心であったが、現在の流通価格は1,000万円台前半が中心。再販物件は、年間約30件ある。立地が良いため売却期間は短く、1~3ヶ月以内に決まるケースが多い。売却理由はさまざまだが、介護施設への住み替えと相続人による売却ケースが多いようだ。

     月額の費用は、1人入居で約12万円~14万円。内訳は、管理費が50,950円(43.1㎡)~60,840円(58.69㎡)、修繕積立金が11,500円~14,100円。管理費、修繕積立金は、居室の広さごとに9タイプに分かれている。食費は1日3食30日の喫食で54,290円/人となっている。
     2人入居の場合は、管理費24,280円と食費(実費)が追加で必要となる。

  • 長年の実績にもとづいたきめ細やかなサービスで
    健やかな毎日をサポート

    フロント

    売店

     スタッフは24時間常駐し、来客の対応や共用施設の予約、宅配の受け取りなど、生活全般にわたるきめ細やかなサービスを提供している。水漏れや蛍光灯の交換などの簡易な作業も無料(部品代等は有料)で対応している。
     緊急時には駆けつけを行い、状況に応じて救急車の手配や緊急連絡先への連絡なども行っている。
     シニア向け分譲マンションでは珍しい通院のサポートもあり、近隣医療機関の「横浜労災病院」、「昭和大学横浜市北部病院」、「昭和大学藤が丘病院」へは週3回送りのみ車の運行を行っている。協力医療機関である「田崎医院」は同一建物内にあるため、日数にかかわらず対応するようにしている。
     居室清掃や買物代行、病院への付き添いなどが必要な場合は、併設の「ライブリーケア中銀仲町台」の有料サービスを利用することになる。有料サービスは、要介護認定を受けていない方でも利用できるため、お元気な方も多く利用されているようだ。

    ダイニング

    喫茶店

     ダイニングでは、専門の栄養士の指導に基づいた、栄養バランスの良い食事を1日3食、朝食440円、昼食420円、夕食950円で提供している。入居者の意見を反映しやすいように厨房は自社で運営し、入居者の要望に合わせて塩分控えめ食やきざみ食などにも対応している。食事は事前予約制で、食費は喫食数に応じた精算となる。外食や自炊をされる方も多いため、夕食を除く喫食率はやや低めとなっている。

     「ライフケア港北」では、入居者に生きがいのある生活を過ごしてもらえるように、アクティビティやサークル活動のサポートにも力をいれている。サークルの立ち上げや運営の相談、メンバー募集のサポートなどもできる限り協力している。現在、陶芸やダンス、コーラス、ゴルフなど、入居者主体のサークルが36種類あり、入居者同士が趣味や活動を通じてコミュニケーションを深めている。
     敬老祭や港北祭(文化祭)、クリスマス会、職員も参加する紅白歌合戦などの季節行事も多く、納涼祭は地域の方も含め、毎年300名以上が参加される一大イベントとなっている。

  • 建物内にクリニックと介護事業所を併設させた
    安心の介護・医療体制

    協力医療機関(田崎医院)

    健康管理室

     「ライフケア港北」では、看護師が24時間常駐し、健康相談や夜間の緊急時対応を行っている。お元気な方や健康相談などを利用されていない方も多いため、全ての入居者と定期的に面談をし、健康状態や医療・介護の状況などについて確認するように努めているようだ。
     日中常駐の介護スタッフは、アクティビティの企画や運営、日中の緊急時対応だけでなく、体調不良などによる一時的なサポートなども行っている。

     介護が必要になった場合は、一般のマンションと同じように介護保険の事業所と契約をして必要なサービスを利用することになる。「ライフケア港北」では、建物内に「ライブリーケア中銀仲町台」(「居宅介護支援事業所」と「訪問介護事業所」)が併設されているため、介護に関する相談や介護保険の申請、介護サービスの利用などもスムーズに行うことができる。多くの入居者ができるだけ永くマンションに住み続けたいと希望されているため、「ライブリーケア中銀仲町台」では、介護スタッフの数を増やし、できるだけ希望に沿ったサービスが提供できるようにしているようだ。
     介護事業所の併設や介護スタッフの増員などは、入居者の高齢化や要介護化に合わせて取られた対応であるという。入居者の希望や状況などに合わせて柔軟な対応が行われていることが、入居者にも評価されているのだろう。

    健康管理室(一時静養室)

    中銀ケアホテル横浜希望ヶ丘

     さらに、中銀グループでは、認知症や介護度が重くなるなどで、介護施設への住み替えを検討されている方を受け入れる施設として、介護付有料老人ホーム「中銀ケアホテル横浜希望ヶ丘」を同じ横浜市内で運営している。
     医療に関しても、協力医療機関である「田崎医院」が同一建物内にあるため安心感も高い。
     お元気な時だけでなく、医療や介護が必要になっても安心して暮らせる支援体制を整えているといえる。

     現在、介護認定を受けている方は144名。要支援の方が67名と最も多いが、中重度の方も増えている。24時間体制でヘルパーを付けている方も3名ほどいる。
     介護サービスに関しては、併設の「ライブリーケア中銀仲町台」を利用している方が最も多く、利用者は「居宅介護支援事業所」82名、「訪問介護事業所」94名となっている。
     介護施設へ住み替える方は年間10名程いるが、「中銀ケアホテル横浜希望ヶ丘」以外にお子様の近くにあるグループホーム等を選ばれる方も増えているようだ。

  • まとめ

    囲碁室

    ビリヤードコーナー

     「ライフケア港北」の入居要件は、55歳以上で身の回りのことが自分でできる方。お元気な方が対象のため、要介護認定を受けている方は入居できない。入居にあたっては、管理会社による入居審査の他、管理会社とのライフケアサービス契約の締結も必要となる。分譲マンションだが、身元引受人も1名必要だ。
     現在の入居者は505名で、平均年齢は男性80.4歳、女性81.6歳。100歳の方も入居されているという。
     男女比は3対7、夫婦と単身世帯の割合は2対8。入居時の年齢は70代後半が最も多いようだ。

     アクティブシニアが早めの住み替えを考える時、元気なうちは広い居室で自由な生活を望み、介護が必要となってもある程度住み続けられる住まいをと望む。シニア向け分譲マンション以外に、自立者向けの有料老人ホームや居室面積の広いサービス付き高齢者向け住宅などが候補として考えられるが、それらの住まいは入居一時金や月額の利用料が高く、年金をベースに暮らしたいシニアには手が届かないことが多い。
     「ライフケア港北」は、立地環境や豊富な共用施設、24時間体制による生活支援サービス、併設のクリニック・介護事業所などとの連携による医療・介護サービスなど、シニアが豊かに安全に暮らせる環境がバランス良く整っている。さらに、シニア向け分譲マンションのパイオニアならではのグレードの高い管理も行われている。それでいながら、物件は1,000万円台中心と購入しやすい価格帯で販売をされており、月額の利用料も約6万円~7万円、食費を入れても約12万円~14万円とリーズナブルな設定となっている。年金だけでも十分に検討できる住まいとなっているのが「ライフケア港北」の大きな魅力であろう。

    図書室

    カラオケルーム

     中銀グループが「ライフケア」事業をスタートしてから46年。シニア向け分譲マンションのパイオニアとして長年業界を牽引してきた。
     現在の管理・運営実績は、熱海10棟、小田原1棟、横浜1棟、千葉1棟、札幌3棟の合計16棟3,179戸。自社単独案件だけではなく、他社との共同プロジェクトも展開している。また、介護付有料老人ホームの運営では熱海、横浜の他、兵庫でも実績がある。
     長年築き上げた実績と運営ノウハウをもとに、シニアの第二の人生を支えているが、築年数の経過に伴う建物の老朽化や入居者の高齢化、要介護化など、取り組まなければならない課題も増えている。
     今後、リノベーションや建替えも含め、どのようなサービスや事業展開が行われていくのだろうか。その動向に業界全体が注目している。

【施設概要】

住  所
神奈川県横浜市都筑区新栄町14-1
最 寄 駅
横浜市営地下鉄「仲町台」駅より徒歩10分
種  別
シニア向け分譲マンション
敷地面積
20,108.75㎡
建築面積
4,908.25㎡
建  物
地上14階、鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)
建物竣工
昭和63(1988)年3月
管理会社
中銀インテグレーション株式会社
権利形態
所有権方式
入居要件
55歳以上で身の回りのことが自分でできる方
総居室数
443戸
居室面積
43.28㎡(1LK)~58.69㎡(2LK) ※全13タイプ
公式サイト
http://www.nakagin.co.jp/lc-yokohama/

(2018年8月時点の内容です)

※このレポートの情報には細心の注意を払っておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。
また、このレポートはケアデザインが見学した施設の情報を簡易にまとめたものであり、 これをもって当方による推薦・紹介等を意図したものではありません。