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<施設見学レポート>高齢者向け施設の見学レポート

介護付有料老人ホーム

ラビドール御宿

エントランス付近

御宿の海岸(ラビドール御宿HPより)

アクティブシニアが豊かな生きがいを持って暮らすリゾート型ホーム

 南房総にあり、一年を通して温暖な気候で知られる千葉県「御宿」。太平洋の美しい海と緑豊かな自然に囲まれた御宿は、古くからリゾート地として親しまれている。
 アクティブシニアを対象としたリゾート型ホームとして1990年にこの地に開設された「ラビドール御宿」は、リゾートホテルのような上質な施設ときめ細やかなサービス、栄養バランスの整った食事や充実のアクティビティ、そして、生涯にわたる安心の介護・医療支援体制を備えた介護付有料老人ホームだ。
 ホームを運営するのは、一般財団法人千代田健康開発事業団(東京都千代田区)。日立グループの日立ビルシステム(東京都千代田区)を事業母体とし、設立以来黒字経営を継続する安定した経営実績を誇る。

 開設から26年が経過しても今なお変わらぬ魅力を放ち続け、90%以上という高い入居率を誇る「ラビドール御宿」。

  • 自然に恵まれた住環境で自由に暮らしを楽しむ

    テニスコート

    アスレチックジム

     「東京」駅からJR外房線特急「わかしお号」に乗車すると、「ラビドール御宿」の最寄り駅である「御宿」駅まで約80分。駅からホームまでは車で約5分。
     「ラビドール御宿」は、西武プロパティーズ(旧西武不動産)が開発した房総最大級の別荘地「御宿西武グリーンタウン」内に建設されている。3万4,360㎡(1万393坪)にも及ぶ広大な敷地の中に、一般居室はわずか204室。3分の2が庭園、共用施設にも大きくスペースをとった贅沢な造りとなっている。

    茶室(ラビドール御宿提供)

    売店

     共用施設には、3食の食事を提供するダイニングルーム、ご家族や友人と会食等を楽しむための特別食堂、大浴場(男湯1、女湯1)、コインランドリー(洗濯機200円/回・乾燥機100円/回)、売店(実費)、理美容室(実費)、メールボックス、トランクルーム(1,080円/月)、駐車場(2,160円/月)等がある。
     健康づくりのための運動施設も多く、アスレチックジム、年間を通して水泳や水中運動等が楽しめる温水プール(15m)、テニスコート、ゴルフ練習場等、ご入居者がいつでも身体を動かせる環境が整備されている。アスレチックジム・温水プールには、3名のインストラクターが常勤し、個人の体力や健康状態に合わせた運動指導を行っている。健康に対する意識が高いご入居者が多く、1日40名程が利用しているという。
     趣味やサークル活動を楽しむ施設も豊富で、京都の南禅寺金地院「八窓席」の意匠を採り入れた茶室をはじめ、図書室や娯楽室、アトリエ、陶芸室、ビリヤードコーナー等がある。また、敷地の一画には独立した多目的ホール「ラビドールホール」があり、クラシックコンサートや各種イベント、サークルの練習場として利用されている。
     さらには、ご入居者のご家族や友人等が宿泊できるゲストハウスも6室あり、1泊3,240円/人で利用できる。共用施設の維持管理費は、毎月の管理費に含まれているため、トランクルーム、駐車場等の一部を除いては、無料で利用できる。

  • 快適性と安全性を兼ね備えた居室入居にかかる費用

    廊下

    Lタイプ リビング・寝室(ラビドール御宿提供)

     一般居室は4棟に分かれており、居室総数は204戸。Sタイプ41.23㎡~46.11㎡、Mタイプ49.61㎡~59.52㎡、Lタイプ60.72㎡~67.45㎡と、一般的な介護付有料老人ホームと比較して広めの造りとなっている。全ての居室が、東南東から南南西に面しているため、日当たりが良く明るい。広く開放的なバルコニーからは、房総の山々や太平洋等、開放感に溢れる眺望を楽しむことができる。
     居室はバリアフリー設計で、トイレ(温水洗浄便座)、洗面化粧台、浴室、洗濯機置場、下駄箱、インターフォン等が完備されている。キッチンには安全な電熱調理器を使用し、浴室には手すり付きのバスタブを採用する等、高齢者にも使いやすく安全に配慮された設備が整っている。ご入居者の入れ替えの際にはリフォームを行い、設備を最新のものへ交換する等、時代に合わせた居住環境に整備するよう心掛けている。
     また、万一に備えた設備も充実しており、緊急コールボタンが、リビング、寝室、トイレ、浴室の4ヶ所に、玄関ホールの天井にも12時間以上人の動きがないと異常を知らせる生活リズムセンサーが装備されている。急な発病や緊急時には、ホーム職員と同一敷地内にある協力医療機関「財団付属診療所」(ラビドールクリニック)の医師・看護師が速やかに適切な対応をするため、安心感も高い。

    キッチン・洗面台

     入居にかかる費用は、入居時に支払う「入居一時金」・「特別サービス費用」と、入居後に毎月支払う「月額利用料」の大きく2つに分けられる。
     入居一時金は、居室のタイプと階数、年齢(75歳以上は一律料金)等によって異なる。2人で入居する場合は、若い方の年齢が適用される。1人入居の場合は2,590万円~5,590万円、2人入居の場合は、追加入居一時金として1,050万円が加算される。その他、①介護・看護職員を手厚く配置するための人件費、②要支援・要介護者以外の入居者に対する緊急時または一時的な介護サービス費用、③医師の夜間緊急時待機等の費用として「特別サービス費用」464.4万円(税込)/人が必要となる。入居一時金と特別サービス費用のうち10%が入居翌日に償却され、残りの90%が10年間で日割り均等償却される。10年を過ぎても追加の費用は発生しない。
     入居一時金は、一括払いの他、2年以内での分割払いも可能となっている。自宅の売却資金等を入居一時金に充てるような方には、入居後にタイミングをはかりながら売却をすすめられるため、メリットも大きいのではないだろうか。
     月額利用料は、1人入居で144,720円(管理費79,920円、食費64,800円)、2人入居で238,680円(管理費109,080円、食費129,600円)となる。その他に、居室内の水光熱費、電話使用料、医療機関で診察を受けた医療費、介護保険利用時の自己負担金等は実費負担となる。

  • 元気な時からエンディングまで一貫した手厚いサービス

    フロント

    ダイニング(ラビドール御宿提供)

     ラビドール御宿のあらゆるサービスは、フロントが窓口となっている。午前8時から午後8時までオープンしており、来訪者の受付や郵便物・宅配便の受渡し、共用施設の利用受付、食事の予約申込、クリーニングの取次ぎ等、ご入居者の暮らしを支えるさまざまなサービスを提供している。

     ダイニングルームでは、1日3食(朝食432円、昼食648円、夕食1,080円)、御宿ならではの新鮮な山海の素材を使用した栄養バランスの良い食事を提供している。食事は、毎食2種類(事前予約制)のメニューから選択できる。テーブルまでウエイトレスが配下膳するフルサービスで、お酒の注文もできる。予算に合わせたオーダーメニューを依頼することもできるため、特別食堂(予約制)で、ご家族や友人との会食を楽しまれる方も多い。

     ご入居者の活動的な生活をサポートするための車両運行サービスも年中無休で行っている。ホームと「御宿」駅を結ぶマイクロバスが毎日8便運行されているため、駅や買い物に行くのも便利だ。その外、水曜日と金曜日に1日2便(祝日を除く)、協力医療機関である亀田総合病院(鴨川市)への送迎バスも出ているため、通院も安心だ。

    特別食堂「しおさい」(ラビドール御宿提供)

    掲示板

     日々の暮らしを豊かに過ごしていただけるようなアクティビティや季節のイベントにも力を入れている。四大イベントとして春には「花まつり」、夏には「納涼祭」、秋には「文化祭」、冬には「クリスマス忘年会」があり、バスツアー等も定期的に行われている。ラビドールホールでは、演奏会やプロ歌手によるリサイタルなども開催される。
     陶芸・囲碁・俳句・テニス・ゴルフ・合奏等、ご入居者同士が誘い合って自発的に活動されている同好会も多数ある。年8~9回行われるゴルフ同好会のコンペには職員も参加し、ご入居者との真剣勝負を繰り広げている。その他、支配人がマスター役となり、お元気な方と介護が必要になった方の交流を目的としたカフェを開催したり、「ミニ百貨店」と称して、地元商店の方にホームで出店してもらったり等、ご入居者同士はもちろん、ご入居者と地域の方が自然に交流できるような催しや企画も実施している。

     また、エンディングサポートとして、ホームでの葬儀や各種手続きのサポート等も行う。ホーム内には霊安室があり、宗派を問わず葬儀を執り行うことができる。これまでにご逝去された約半数以上の方がホーム内で家族葬を行い、ホームのご友人や職員等、たくさんの方に見送られながら最期のお別れをしてきた。さらに、ホームから車で5分程の距離にある御宿霊園内に「ラビドール御宿墓苑」を保有しており、永代供養(別途費用)まで受けることができる。

  • クリニックと連携した安心の介護・医療支援体制

    ケアセンター「アンシャンテ」

    介護居室

     介護が必要になった場合は、ホームと「(介護予防)特定施設入居者生活介護」(介護保険サービス)の契約を結び、ホームに常駐する介護スタッフから入浴や排せつ等の介護を受ける。
     介護サービスは、ご入居者の心身の状況により一般居室または、24時間体制で手厚い介護を行うケアセンター「アンシャンテ」にて提供される。
     ケアセンターには、40室の介護居室(一時介護居室と兼用/居室面積18㎡~23.4㎡)があり、機能回復訓練を行うリハビリルームや座ったままでも入浴が行える特別浴室などの設備が揃う。介護スタッフと財団付属診療所の看護師が連携し、重度の認知症の方や医療行為が必要な方でも安心して生活することができる。ご入居者とご家族の意向に沿ったきめ細やかな介護が行えるよう、人員は介護保険の基準(入居者3名に対して介護スタッフ1名)を上回る手厚い配置(入居者2名に対して介護スタッフ1名)となっており、看取りまでを含めたトータルなケアを行っている。
     常時介護が必要になると、介護居室へ“住み替え”となり、一般居室の権利は消滅するホームが多い中、ラビドール御宿では、ケアセンターの介護居室で介護を受ける場合も、一般居室の権利は終身に渡り継続する。いつでも戻れるお部屋があるという安心感が、ご入居者の気持ちを安定させ、リハビリへの意欲を高める効果にもつながっているという。

    財団付属診療所

     ラビドール御宿の協力医療機関である「財団付属診療所」は、入院施設を有する有床(8床)のクリニックで、ラビドール御宿と同一法人が運営している。クリニックには、常勤医師2名と看護師10名、薬剤師1名が勤務し、日常の診察から入居者の緊急時対応(看護師24時間常駐、医師はオンコール体制)、終末期におけるターミナルケアまでをトータルにサポートしている。X線、心電図、超音波検査機等の医療機器が揃い、院内薬局で薬も受け取れるため、ご入居者だけでなく地域の方の利用も多い(1日外来約50名)。診療科は内科(月~金曜日)と眼科(月曜日の午前)で、眼科の医師は、「亀田総合病院」より派遣されている。

     亀田総合病院は医師数300名超、救急救命センターをはじめ内科、外科、心臓血管外科等計34の診療科を整えている病院だ。開設当初から協力医療機関として、医師の派遣を受けたり、電子カルテを共有したり等、綿密な連携がとられている。高度医療にも対応しているため、ご入居者にとっても心強い存在だ。

  • まとめ

    C棟居室からの景観

    ケアセンター(ラビドール御宿提供)

     ラビドール御宿では、「豊かな生きがいと安心感のある生活環境の構築」を理念に掲げ、ご入居者が生涯に渡って安心して暮らせるようにさまざまなサポートやサービスを提供している。
     ご入居者は、リゾート地ならではの温暖な気候と自然豊かな環境の中で、お元気なうちは自分らしく自由な暮らしを楽しみ、介護や医療が必要になっても、ホームが提供する手厚いサービスを受けながら最期まで暮らし続けることができる。アクティブから介護、医療からターミナル、そしてエンディングまで、生涯にわたって一貫したサポートが受けられる体制が整っていることがラビドール御宿の最大の魅力である。
     また、ご入居者の暮らしを支える職員の入れ替わりが少ないことも特徴として挙げられる。高齢になり、住み慣れたご自宅から新しい住まいへ移ることはとても大変なことだが、ラビドール御宿では、開設当初から働く経験豊富な職員が多く、第二の家族のような存在でご入居者を見守り支えている。

    エントランス(ラビドール御宿提供)

     現在の入居者は242名で、入居率は約91%。開設以来のご入居者も40名程いる。平均年齢は84.5歳で、東京都からのご入居者が約半数と一番多い。入居要件は、60歳以上で身の回りのことが自分でできる方。軽度でも要介護認定を受けている方は入居できない。
     ホームでは、入居時の健康状態をなるべく維持し、ラビドール御宿での生活を長く楽しんでいただくために、「介護予防」の取り組みに力を入れている。専任のインストラクターによる運動指導や年2回行われる体力測定(骨密度、バランス、握力)、新鮮な食材を使ったバランスの良い食事の提供等、ご入居者の健康維持・増進への取り組みを各職種がさまざまな角度から行っている。現在でもご入居者の75%が自立者と、高い比率を保ち続けられるのは、ホームが総力を挙げて介護予防に取り組んでいるからであろう。
     自立者向けのホームでは、開設から10年以上が経過すると、入居者の自立度に明らかな変化が現れ始める。要介護者が増えるに伴い開設当時の華やいだ雰囲気も失われていくことが多い。ラビドール御宿も開設から26年が経過し、ご入居者の高齢化が問題となっている。今後もアクティブシニアを惹きつける魅力あるホームでありつづけるためには、いかにこの高い自立者率を保てるかが鍵となるだろう。

     リゾート型の有料老人ホームという、全国でも数少ない形態でホームを運営してから26年。第二の人生にふさわしい住まいとして多くのアクティブシニアに選ばれてきた。
     健やかに快適な生活を求めるアクティブシニアにとって、リゾート型ホームの魅力は大きい。安定した経営と生涯に渡って安心して暮らせる環境を併せ持つ「ラビドール御宿」は、シニアライフの一つの選択肢として今後も注目を集めることだろう。

【施設概要】

住  所
千葉県夷隅郡御宿町御宿台132
最 寄 駅
JR外房線「御宿」駅より車で約5分(約1.8km)
種  別
介護付有料老人ホーム
敷地面積
34,360㎡
建築面積
23,696㎡
建  物
鉄筋コンクリート造、2・3・5・8階建、
他ゲストハウス、ケアセンター、ラビドールホール
事業主体
一般財団法人千代田健康開発事業団
権利形態
利用権方式
入居条件
入居時自立
満60歳以上で、身の回りのことが自分ででき、共同生活が可能な方
居 室 数
一般居室204戸(定員307名)、
介護居室40戸(一時介護室と兼用/全室個室)
居室面積
一般居室41.23㎡~67.45㎡、一時介護室18㎡~23.4㎡
公式サイト
https://www.laviedor.or.jp/

(2016年11月時点の内容です)

※このレポートの情報には細心の注意を払っておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。
また、このレポートはケアデザインが見学した施設の情報を簡易にまとめたものであり、 これをもって当方による推薦・紹介等を意図したものではありません。