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<施設見学レポート>高齢者向け施設の見学レポート

複合型シニア向け住宅

グランクレール成城

外観

入口

自立型と介護型を併設した複合型シニア向け住宅

 東急不動産の子会社である東急イーライフデザイン(東京都渋谷区)が運営する「グランクレール成城」(東京都世田谷区)は、サービス付き高齢者向け住宅「グランクレール成城シニアレジデンス(自立型)」に、介護付有料老人ホーム「グランクレール成城ケアレジデンス(介護型)」を併設した、複合型のシニア向け住宅だ。
 成城という高級住宅地での上質な暮らしをコンセプトにしており、共用施設や各種サービスを充実させている。
 「シニアレジデンス」に入居後、万が一介護が必要になった場合は「ケアレジデンス」へ移り住むことも可能であり、同一建物内で自立の方から要介護者のケアまでトータルで行なえることが最大の特徴となる。

エントランスホール

フロアマップ(グランクレール成城HPより転載)

  • シニアレジデンス(共用施設、居室、費用)

    ロビー

    男女別大浴場

     建物は鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建て、全112戸(シニアレジデンス79戸、ケアレジデンス33戸)の規模で、地下1階および地上1階が主に共用部となっている。シニアレジデンスの出入りは、入居者が持つICカードによって管理されており、シニアレジデンスとケアレジデンスの生活空間は完全に分かれている。
     建物内の家具や意匠は、東急不動産のインテリアチームが企画したオリジナル商品で統一され、和風モダンな落ち着いた空間が広がっている。

     まず、シニアレジデンスから見ていきたい。
     1階エントランスホールを入ると、ロビー、応接室、ダイニングルームをはじめ、家族や友人、知人など親しい仲間で食事が楽しめるプライベートダイニング、来客者が宿泊可能な和室、クリニック(内科)などが配され、地下1階には、シアタールーム、大浴場、娯楽室、トランクルーム、ライブラリー、ティーラウンジなどがある。屋上にあるルーフガーデンやルーフテラスには、四季折々の草花が咲き、自由に散歩を楽しめる庭園が設けられている。床面積の約半分が共用部という贅沢な造りだ。

    囲碁ルーム・麻雀ルーム

    サロン・シアタールーム

     「シニアレジデンス」は、東京都終身建物賃貸借事業認可を取得した自立者向けとなっており、居室は41.21~87.24m2の1R~3LDKで構成されている。夫婦での入居も可能だ。
     居室内には、車椅子対応のキッチン(IH)、乾燥・換気機能付浴室、トイレ、洗面所、バルコニー(ウッドデッキ)、床暖房などの設備を備えるほか、リビング、トイレ、浴室などに緊急通報ボタンを設置。天井にはスピーカーが埋め込んであり、緊急通報ボタンを押すことで、24時間いつでもスタッフと話をすることができる。水道の使用で生活動作を確認する生活安全センサーも標準装備されており、もしもの時にも安心だ。

     料金プランは、「一括払プラン」と「月払プラン」の2種類があり、いずれも入居時費用として、クラブ入会金525万円/1人、介護移行基金315万円(1人入居)、525万円(2人入居)のほか、「一括払プラン」では居室と年齢に応じた前払賃料、「月払プラン」では敷金(月額賃料の3ヵ月分)が必要となる。また、月額利用料として、いずれも管理費7万円、サービス費10万5,000円、「月払プラン」ではお部屋に応じた月額賃料が必要となる。

  • シニアレジデンス(サービス)

    ダイニング

    メニュー表

     館内には24時間スタッフが常駐し、宅配便の取次ぎや日常生活の相談、買物代行や住戸内の清掃(有料)など、日常生活全体をサポートしている。これらは、「グランクレールシリーズ」共通のサービスだが、「グランクレール成城」では、最寄り駅(成城学園前)までの定期的な送迎や体調不良時の居室への配膳サービスなど、既存施設の入居者の声を反映した新しいサービスも積極的に取り入れており、入居者の満足度向上に努めている。

     介護が必要になった場合の体制も手厚い。
     「グランクレール馬事公苑」(東京都世田谷区)に東急イーライフデザインが運営する「居宅介護支援事業所」と「訪問介護事業所」があり、そこからホームヘルパーを派遣することができる。
     また、「ケアサポートルーム」も大きな特徴の一つだ。「ケアサポートルーム」では、病気や怪我などにより一時的にシニアレジデンスでの生活が困難になった場合に24時間体制によるサポートを受けることができる。ケアレジデンス内の居室を利用することで、退院後すぐに自分のお部屋に戻るのが不安な時や急な体調不良などの緊急対応を可能にした。
     訪問介護の利用から「ケアサポートルーム」による中間介護体制の充実、常時介護が必要になった場合のケアレジデンスへの移り住み保証など、介護の必要度に応じたきめ細やかな体制が入居者の大きな安心につながっていることは言うまでもない。

    リビング

    寝室・キッチン

     施設内に併設した「成城はなクリニック」(分院)は、健康相談サービスの実施だけではなく、一般診療から往診までを行なうことで、ホームドクターとしての役割も担っている。近隣にある提携医療機関の「千歳台はなクリニック」(本院)は、19床のベッドを擁しており、重篤時の入院対応も可能だ。
     その他、周辺の東京医科大学病院や関東中央病院、杏林大学医学部付属病院など複数の医療機関とも連携を図り、医療体制を充実させている。

     食事は、1日3食、365日予約なしで食べることができ、2種類の定食から選ぶことができる。食べたい時に気軽に食べに行けると、入居者の方から大変喜ばれているようだ。

     2013年2月現在、7割の居室が埋まっており、入居者の平均年齢は80歳超。入居者男女比は2:8で、ご夫婦での入居も2割いる。

    トイレ・浴室

    【施設概要】

    住  所
    東京都世田谷区成城8丁目20-1
    最 寄 駅
    小田急小田原線「成城学園前」駅徒歩13分
    敷地面積
    4,159.82㎡
    建築面積
    9,986.51㎡
    建  物
    鉄筋コンクリート造、地上5階地下1階建
    事業主体
    東急不動産株式会社
    管理運営
    株式会社東急イーライフデザイン
    種  別
    サービス付き高齢者向け住宅
    契約形態
    終身建物賃貸借(賃借権)
    入居条件
    満60歳以上で入居時に身のまわりのことが
    ご自分でできる程度の健康状態の方
    居 室 数
    79戸
    居室面積
    41.21m2~87.24㎡
    入居金
    [月払いプラン]
    敷金:月額賃料3ヶ月分:924,000円~2,727,000円
    [一括払プラン]
    前払い賃料:
    月額賃料×想定居住月数×料率
    36,960,000円~294,516,000円
    月額利用料
    [月払いプラン]
    月額賃料:308,000円~909,000円
    管理費:70,000円/1室
    サービス費:108,000円/1人
    [一括払プラン]
    管理費:70,000円/1室
    サービス費:108,000円/1人

    ※2015年4月1日より料金改定
    公式サイト
    https://www.grancreer.com/seijyo/

    (2013年2月時点の内容です)

  • ケアレジデンス(介護付有料老人ホーム)

    居室

    洗面化粧台

     ここからは、ケアレジデンスを見ていきたい。

     ケアレジデンス部分は2~3階で、共用施設としては、ケアステーション、ビューティーサロン、デイルーム、個室浴室、機械浴室、リハビリルーム、ケアガーデンなどがある。
     居室面積は21.62~46.18㎡の1Rと1DKで、1DKの介護居室は夫婦での入居も可能だ。
     住戸内の設備としては、トイレ、洗面化粧台、緊急通報ボタン、床暖房などを標準装備し、1DKの部屋にはミニキッチン(IH)がついている。

     料金プランは、「一括払プラン」と「月払プラン」の2種類があり、いずれも入居時費用として、入居一時金が500万円かかるほか、「一括払プラン」では居室と年齢に応じた前払賃料、「月払プラン」では保証金(契約終了時に返還)として100万円が必要となる。また、月額利用料として、いずれも管理費1R7万円(1DK9万円)、サービス費73,500円、食費44,100円、介護サービス費110,250円、「月払プラン」では居室に応じた月額賃料が必要となる。

    トイレ

    機械浴室

     人員体制は、入居者1.5名に対して職員1名と、介護保険法で定められた基準の2倍のスタッフを配置している。日常身体介護が必要な方、認知症の方など、介護状況に合わせて10名程度のグループに分け、家庭的な雰囲気のもと個別ケアを実践している。
     看護師は24時間常駐しており、館内クリニックによる定期的な訪問診療と24時間医療サポート体制により、緊急時にも速やかな対応をとることができる。
     ルーフガーデンでは多数の植物を取り入れ、リハビリルームでの生活機能訓練を兼ねた催しが行なわれており入居者に人気のようだ。

     介護サービスは、入浴が週3回(週4回以上は1回2,100円)、居室清掃が週4回、洗濯は毎日、買い物は週1回の指定日、外出時の同行は1回30分まで1,575円、1回30分以上だと1時間2,100円+実費での対応となる。夜間の巡回は2時間毎に行なっており、その他、各入居者に必要なサービスを個別対応している。

     2013年2月現在、33室中18室が埋まっており、シニアレジデンスからの移り住みよりも、外部から直接入居した方が多いようだ。
     平均要介護度は3弱と比較的中重度の方が多い。

    【施設概要】

    住  所
    東京都世田谷区成城8丁目20-1
    最 寄 駅
    小田急小田原線「成城学園前」駅徒歩13分
    敷地面積
    4,159.82㎡
    建築面積
    9,986.51㎡
    建  物
    鉄筋コンクリート造、地上5階地下1階建
    事業主体
    東急不動産株式会社
    管理運営
    株式会社東急イーライフデザイン
    種  別
    介護付有料老人ホーム
    契約形態
    利用権方式
    入居条件
    65歳以上で要支援、要介護の方
    居 室 数
    33戸
    居室面積
    21.62m2~46.18㎡
    入 居 金
    [月払いプラン]
    敷金:月額賃料3ヶ月分
    1,182,000円~2,031,000円 [一括払プラン]
    前払い賃料:
    月額単価×想定居住月数+想定居住期間を超えて
    契約が継続する場合に備えて受領する額
    23,640,000円~56,868,000円
    月額利用料
    [月払いプラン]
    月額利用料:
    698,360円/1人~1,235,720円/2人

    (内訳)
    月額賃料:
    394,000円/1人~677,000円/2人
    管理費サービス費:
    145,600円/1人~241,200円/2人
    介護費用:
    113,400円/1人~226,800円/2人
    食費:
    45,360円/1人~90,720円/2人
    [一括払プラン]
    月額利用料:
    304,360円/1人~558,720円/2人

    (内訳)
    管理費サービス費:
    145,600円/1人~241,200円/2人
    介護費用:
    113,400円/1人~226,800円/2人
    食費:
    45,360円/1人~90,720円/2人

    ※2015年4月1日より料金改定
    公式サイト
    https://www.grancreer.com/seijo-care/

    (2013年2月時点の内容です)

  • まとめ

    フロア案内図

    掲示板

     東急不動産グループでは、「グランクレールシリーズ」の展開だけでなく、多様化する高齢者のニーズに応えるべくさまざまな取組みを行なっている。
     2012年には「グランクレールセンター南」(横浜市都筑区)の3階において、入居者や地域住民などが多世代で交流できる場所として、カフェとユニバーサルインテリアショップの融合店舗「&Comodia Life style shop(アンドコモディアライフスタイルショップ)」と、シニアの方の住み替え全般の悩みに応える「住替えコンシェルジュサロン」、2013年には「グランクレールあざみ野」(横浜市青葉区)において、シニア世代のライフスタイルに合わせた提案型モデルルーム「&comodia ユニバーサルルーム」を相次いでオープンさせた。

     また、世田谷区との間で、災害時における被災住民の避難に関する相互応援協定を締結し、「グランクレール成城」および「グランクレール馬事公苑」の2施設が二次避難所(福祉避難所)として登録された。世田谷区が民間企業と相互応援協定を締結するのは初めてだ。
     協力内容は、大災害の発生時に介護の必要な高齢者や障害者を受け入れるほか、施設の提供、被災住民の避難、災害時用備蓄物資の提供などで、区の「二次避難所(福祉避難所)の量的拡充」という考えに、東急不動産が応える形で締結することとなった。

    イベント予定表

     「グランクレールシリーズ」は、2004年2月「グランクレールあざみ野」の開業より、東急沿線を中心に10ヶ所(約1,000戸)展開してきた。加齢やライフスタイルの変化に応じて、同一施設内での移り住みや異なる施設間での住替え、自立の方から介護が必要な方まで多様なニーズに対応可能なビジネスモデルを確立し、地域に密着した運営をしている。
     2013年秋には、シリーズ11ヶ所目となる、サービス付き高齢者向け住宅「グランクレール青葉台二丁目」の開業も予定されている。
     東急不動産では、今後も市場の需要に合わせ、多摩田園都市エリアおよび都内城西南エリアにおいて、高齢者向け住宅事業を積極的に展開してく予定だ。

     2013年は、東急イーライフデザイン設立から10年の節目の年となる。
     今後、ますます高齢化が進み、シニアのライフスタイルも多様化することが見込まれる中、「グランクレールシリーズ」が果たす役割は大きいだろう。これまで培ってきたノウハウが、この先どのように活かされ発展を遂げていくのか今後も注目される。

(2013年2月時点の内容です)

※このレポートの情報には細心の注意を払っておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。
また、このレポートはケアデザインが見学した施設の情報を簡易にまとめたものであり、 これをもって当方による推薦・紹介等を意図したものではありません。