三井不動産
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ケアデザインプラザ

川上由里子の「シニアのはなし。」

第1回 シニアのライフケア。 より楽しく豊かな人生へ。介護、食、旅行、セキュリティ… シニアライフ全般をサポートします。
東京セレブの新・スタイルマガジン「apple」


いまや日本人男性の平均寿命は78歳、女性は85歳になりました。日本は世界一の長寿国であるとともに、じつは世界でも類のない早さで高齢化が進んでいる国でもあります。団塊の世代が定年をむかえ、現在65歳以上の“シニア”と呼ばれる人たちは5人に1人。これが2050年になると3人に1人になります。実際、バスに揺られてると高齢者が乗ってきますが、「誰か席をゆずってあげようよ」なんて思いながら車内を見渡すとほとんどの乗客が60歳以上の高齢者、なんて光景もめずらしくなくなりました。

そして100歳以上の元気な高齢者も増えています。私は子供の頃からおばあちゃん子で高齢者が大好きなのですが、元気な高齢者っていいですね。人間誰しも年をとりますが、「皺だらけのおじいちゃん、おばあちゃんになってもこんなふうに生活したい!」と思える高齢者にお会いできることは本当にうれしいです。ケアマネジャーとして、そして私自身の老後への明るい希望がわいてくるのです。

私の仕事、“ケアマネジャー”という言葉にピンとくる方は少ないと思います。現在は高齢社会(すでに高齢化社会→高齢社会なのです)にもかかわらず、ケアデザインプラザのようなところはほとんどありませんので今後は増えていってほしいのですが、これは「どうすればその高齢者の方やハンディキャップのある方が健康に、楽しく、快適に、安心して暮らせるか、さまざまな角度からその方が望む暮らしのあり方をコンサルティングさせていただく」というものです。

たとえば、もっとも多い相談のひとつに住まいとサービスがあります。相談者の方の「こんな暮らしをしたい・させたい」という価値観に合った選択が必要になってきます。

「今後20年ほどシニアライフを送るのに最適な住まいは?」、「もしも介護が必要になったらどうしたらいい? 」、「介護を在宅でやりたいのですが……」などなど、皆さん、不安いっぱいでいらっしゃいます。そのときにその方のバックグラウンド(経済、健康状態、家族関係、趣味など)を熟慮することはもちろんですが、私がもっとも大切にしていることは、“その方の生活の質、人生の質を低下させずに向上させるためにはどうしたらいいのか?”ということです。

じつは私は8年前にこの仕事につくまで大学病院などで看護師をしていたのですが、多くの方々の死に立ち会わせていただきました。その経験から気づいたことは“死に方には晩年の生きざまが現れる”ということです。ある方は家族と離れて病院生活を送っていましたが、家族がしょっちゅう遊びに来ていつもニコニコと笑顔で、最期は家族に看取られて静かに亡くなりました。

一方では豪快な方もいらっしゃいました。大会社の社長だった方ですが、重病であるにもかかわらずよくお一人で遠くまで大好きな釣りへ行ってしまう。でもついに行動制限が厳しくなってしまいました。「釣りができないなら生きている意味がない」とその方は飲まず食わずの自然死を選ばれて、まるで即身仏のように亡くなられました。

ちょっと極端な例ですが、こんな経験をしてきた私の願いは“人生の最期まで自分らしく生きていただきたい”ということ。高齢者になっても元気に外出し、仲間と語り合い、おいしいものを食べ、死ぬまで元気に、普段の生活をする。私共の所へ訪れる方々へさしあげたい目標です。

もちろん、介護の引き出しもたくさんあります。これからも、皆さんに充実したシニアライフを提案していきたいと思います。


(東京セレブの新・スタイルマガジン 『apple』 2006年10月号より)




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