三井不動産
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ケアデザインプラザ

  ユニバーサルデザインの視点から見る 「2007年度 第34回国際福祉機器展」
2007年11月2日
 
三井ホームデザイン研究所 開発設計室 塚本千代子


会期 平成19年10月3〜5日  3日間
主催 (財)保健福祉広報協会
参加メーカー数 (国内):527社             
(海外):15各国・地域 53社
入場者数 約128、000人 (ほぼ例年並)





  高齢者や子供、妊産婦、障害をもった方、誰でも普通に快適に暮らすユニバ―サルデザインの考え方は徐々に定着してきていますが、その原則の一つにアクセシブル「接近して使える寸法や空間になっているか」という項目があります。  

何らかの理由で身体機能が低下してしまうと、移動のときに杖や手摺、車いすを利用する場合があります。
今まで使わなかった器具が必要になったり、誰かにちょっとした介助を頼むときに、今まで普通に暮らしていた家の床に段差があることや、スペースが狭いこと、ドアが通れない、家族やヘルパーさんに手伝ってもらうにも動きが取れないなどの問題が浮上してきます。  

そのため、高齢者向け等の住宅改造というと、
・段差を解消しましょう(転ぶ原因を作らないためにも重要ですが)
・建具はなるべく広く開いて、できれば開き戸より引き戸で動きやすく
・トイレや洗面所、浴室は広めに改造して

等々が原則でした。
今年の福祉機器展を見て、器具が進化して「どこでも使える」というのは少しオーバーだとしても、こんなものが欲しいという要望にあわせて、間に合わせでなく、一般品が変わって来ているように感じました。





  まずトイレ。毎日何回も使うとても重要なところです。
I社のブースに世界最小の便器が出展されていました。
車いす等でのアクセスの場合、便器の前にスペースがあることが重要ですが、便器が小さくなれば残りのスペースが広くなるというシンプルな解決法です。  

またT社では、本物の便器を改造したポータブルトイレを出展していました。
今までポータブルトイレと言うと、家具のようにデザインされ部屋においてもおかしくないとか、シャワー機能が付いたりと徐々に進化してきましたが、これで一気に大進化です。
20ミリの排水管と給水さえ取れればどこでも設置できるシャワー機能付き便器になりました。
トイレまで行かなくても、本格トイレの便器が部屋にやって来るという解決法です。
従来のポータブルトイレの一番の欠点は、排泄物を誰かが捨てなければいけないということでした。
すぐに処理できない場合の匂いや、バケツを洗うなどの後始末の問題、さらにそうした事が使う人に与えていた気持ちの負担を一気に解決できるのではないかと大いに期待してしまいます。
汚物を粉砕して圧送する機能が付いた便器だそうで、これに限らず、今までの便器のあの太い配管は不要になるのではないでしょうか。 まだ50万円程度と高価ですが、普及すれば安くなるでしょう。
便器の本体をレンタルし、給排水のコンセントにカチャっとつなげば使えるようになれば、本当の意味でのポータブルになるのではないか、そんなシステムができないかと夢が広がります。
暮らしを快適にする選択肢は多い方が良いですね。





  同じように「どこでも手摺」。
手摺と言うと、壁に付いていたり床からサポートしたりが 普通でしたが、壁のないところや廊下の向かい側へ行こうとするとき、手摺が付けられず、移動に不安定な状況がありました。
また部屋の真中にいて立ち上がりたいとき、ベットサイドで体を支えられるものが必要なことがあります。
そうした場合に、床から天井までの突っ張り棒と付属部品が、手摺をどこでも設置できるものにしてくれるように思います。
突っ張り棒をどうやってしっかり留めるかが一番の問題ですが、天井裏や床を補強して設置が可能になれば、垂直手摺の突っ張り棒から突っ張り棒へ横棒を渡して、使わないときには上に跳ね上げられる跳ね上げ手摺を取り付ければ、壁のないところへも行かれるようになります。
このような「どこでも手摺」が取り付けられると、自分の力で起き上がって動くことができるようになるかもしれません。
自分の家の中、自分の行きたいところに行けることはとても重要です。
使えなくなったり使いにくくなったら、移動したり外せば良いのです。





  もう一つ、家具のような大きさのエレベーター。
住宅改造のコンクールで受賞した家に使われていて、以前から注目していましたが、展示会場で乗ってみました。
2人乗りメーカーのS社では、小さな車輪付き椅子に腰掛けた人ともう一人が乗っている写真が紹介されていました。
上下の階の床を750×670ミリぐらい抜く必要がありますが、この大きさなら取付けられるケースも多いように思います。
どこでもエレベーターと言うには早いかもしれませんが、検討に値します。
しばらく前からホームエレベーターに求められる機能が変化してきているように思います。
出入口が前後2方向のものは、道路や車庫の床レベルから1階床のレベルまでの小さな段差の解消を図る段差解消機として利用できます。
また車いすが乗せられなくても立ったまま乗る一人乗り用は重いものを運ぶ目的にも使えるわけで、暮らしを便利にする機器として前向きに検討されて良いかもしれません。



ユニバーサルデザインが「誰でも」であるなら、暮らしに身近になった究極のアクセシブル「どこでも」の機具をうまく取り入れて、充実した自立生活を続けたいものです。


 

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このレポートの情報には細心の注意を払っておりますが、内容の正確性を保証する ものではありません。
このレポートは、累計数百に及ぶ実地調査済み施設のうち、2006年4月以降調査した 物件をランダムかつ簡易に紹介しているものであり、当方による推薦等を意図した ものではありません。

 
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