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ケアデザインプラザ

  施設情報「リゾートケアホーム蓼科」
2007年5月31日


リゾートケアホーム蓼科


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物件名 リゾートケアホーム蓼科
種類 特定施設入居者生活介護
入居要件

入居時要介護もしくは要支援

開設年月 2005年8月1日
所在地 住所 〒391-0301 長野県茅野市北山4035-1296
交通

JR茅野駅から車で約20分
中央道諏訪ICから車で約30分

建物概要 敷地面積(坪) 1,228.82平米 
延床面積(坪) 466.34平米
土地建物・
その他
準耐火木造2階 抵当権有
設計監理・
施工
株式会社イザットハウス
事業主 会社名 株式会社リゾートケアハウス蓼科
主要株主 株式会社ビジケアサービス 麻植佳子
業務内容 介護付有料老人ホーム
居室 室数(定員) 10室10名
居室面積 18.09平米
緊急通報・
安否確認
居室にナースコールを設置
夜間にも夜勤ヘルパー1名が巡回
費用 入居一時金 3,000,000円
償却方法

5年間月均等償却

月額費用

150,000円+介護保険料の1割+実費(オムツ代等)

ホームページ http://www.carehome-tateshina.com/


 

リゾートケアホーム蓼科の経営者であり、ホーム長でもある麻植佳子氏は、1970年代に福祉先進国スウェーデンの長期療養型病院に看護師として勤務した経験を持ち、また、首都ストックホルムにおいて在宅看護の研修を受けています。
帰国後は、その経験をもとに、大阪医科大学付属専門学校等で看護師・介護士教育に力を注ぐ一方、高齢者施設の運営やプロデュースに携わってきました。

リゾートケアホーム蓼科は、スウェーデン型の看護・介護のあり方を日本に根づかせるためにさまざまな活動を行ってきた氏が、そのモデルケースとするべく私財を投じて開設したもの。 低価格でも質の高いケアを提供できること、またビジネスとしても十分に成り立つことを自ら実証していきたいと言います。



 
 
 
 




  同ホームのある蓼科は軽井沢と並ぶ日本有数の別荘地。
入居者は、チェルトの森や原村などの“別荘族”及びその家族を想定していました。
ところが実際は、東京、大阪など地域外からの入居者は半数の5名。
しかもそのうち3名は、子世代がこの土地でペンションを経営する半地元住民です。

このため、当初、500万円に設定していた入居金を300万円に下方修正しました。
しかし、地元の金銭感覚ではこの価格帯でも割高感があり、入居希望者の強い要望もあり、現在入居中の10名全員が返還制度なしの200万円で入居しています。
ただし、以降の入居者については、規定の300万円のみで受け付けていく予定です。

月額利用料は諸経費込みで平均約17万円。年金プラスαで支払える金額内におさめています。
厚労省は2011年末までに介護療養型医療施設を廃止する方針を打ち出しています。
このとき大量に出ると予想される“介護難民”の受け皿のモデルケースとなるためにも、入居金、月額利用料ともにあえて低く設定したと言います。

  ■料金設定
入居金 300万円(終身利用賃貸、別途返還制度有(5年償却)
 月額利用料 15万円+介護保険料の1割+実費(オムツ代等)
3食+おやつ2食、管理費、光熱費込
 サービス内容 介護、健康管理、食事の提供、生活相談・助言、
生活サービス、レクリエーション、その他支援サービス
 入居資格 入居時の介護認定により介護度が要支援以上




 


  スタッフは介護福祉士1名、社会福祉士1名、介護士(2級ヘルパー以上)6名、準看護師1名、調理担当2名の計11名。
ケアマネジャーと看護師は麻植氏が務めます。

2005年8月1日に施設をオープンしたものの、これらスタッフの確保に手間取り、オープンから8ヶ月間はデイサービスのみを営業していました。入居者の受け入れを開始したのは翌年の4月1日。12月に全10室が埋まりました。

生活介護開始時期がずれ込んだことについては、麻植氏個人の人脈に頼りすぎ、地元のハローワークなどを通じた公募が遅れたこと、また、公的福祉施設と営利施設との違いをしっかり認識できていない応募者も少なくなく、サービス業を担っていくのにふさわしい意識と技術を持つスタッフを慎重に厳選したこと、この2つが主な原因だったと言います。  

結局、スタッフも、入居者と同様にほぼ全員が地元住民。
ケアに対する考え方の違いなどで2、3人の出入りはありましたが、約半年ほどで現在のスタッフ体制が定着しました。





  麻植氏がスウェーデンで学び、日本の医療や介護現場にぜひとも導入したいと長年考えてきた「ソフト」のひとつが、看護・介護スタッフのゆとりの勤務体制です。スタッフの笑顔を維持できるゆとりの勤務体制を実現できてはじめて、質の高いサービスを提供できるという考え方です。

正職員の有給休暇は年間124〜128日、年に1度は10日連続の休暇をとれるようシフトを組んでいます。
スウェーデンの介護施設では常識となっているという夜勤専従員を置き、正職員(4名)が夜勤を勤めるのは多い月でも1人4回までに制限しています。 このほうが夜勤疲れを蓄積させることもなく、スタッフの健康維持につながり、結果として高い労働効率につながると言います。

  また、日本の看護・介護現場では、どうしても能力の高いスタッフに仕事が集中しがちですが、勤務シフトをつくる際には、特定のスタッフに仕事が集中しないよう、各スタッフにかかる負担が均等になるよう配慮しています。
最初の頃は、各自の得意・不得意を考慮しながらその日その日のスタッフ組を考えていましたが、現在は、さまざまな組み合わせを経験するなかで、スタッフ同士がコミュニケーションを深め、互いに支え合う関係を築くまでになっています。  

残業は原則禁止。何時までに何をしなければいけないといった時間管理ではなく、人間を相手にした生活サポートに徹し、勤務時間内にできなかったことは次のスタッフに申し送るという連携ケアを実現しています。





  敷地面積1228.82平米。自然公園法により建蔽率40%以下に制限されている区域のため、木造2階建ての延床面積は466.34平米、2階部分に個室10室を確保するのが限度でした。
土地の購入費、建設費、内外装費、家具・調度費、入浴・リハビリ機器等の設備費、車両購入費など、開設に要した費用総額は約1億2000万円。 6400万円は国民金融公庫から、2000万円は麻植氏が代表取締役を務める別会社(介護コンサルタント会社)から、残りの3600万円は麻植氏個人からの借り入れです。  

収支は10室満室になったところで黒字に転換。
もっとも、役員報酬を月額20万円におさえても純益10万円足らずというレベルですが、サービスの質に直結する人件費には極力手をつけず、諸経費をおさえることで黒字を維持し続けています。  

冬季には氷点下になるこの地域では、同規模の施設で光熱費は30〜40万円。冬の寒さが厳しい年は予算を大幅にオーバーすることもあり、小規模事業主にとってはそれが命取りになることさえあります。
低空飛行とはいうものの黒字を維持できているのは、この光熱費を予想以上に低くおさえることができていることも大きいようです。
建物には従来の断熱工法と比べて断熱、気密、耐震、換気性に優れ、結露や熱欠損を生じにくい外壁断熱工法を用い、暖房は、食堂やリハビリ室、廊下などの共有スペースは床暖房、個室はオイルヒーターを採用。
高齢の入居者のために館内温度を高めに設定しているにもかかわらず、冬場でも電気代・オイル代は月額計16万円程度しかかかっていません。  

この光熱費のほか、人件費(雇用保険を含む)、食費、諸設備リース料、各種保険料、ローン返済費、雑費など月額約370万円の支出のうち削れる余地は残っていません。純益を上げていくには、現在10人前後にとどまっているデイサービスの利用者をいかにして増やしていくかにかかっています。



※図をクリックで拡大します

・全体図



 
・1階平面図




・2階平面図



 
・居室







(1) 居室
居室面積18.06平米。停電時でも使用可能な充電機能付介護ベッドを全室に配備(貸与)。
家具の持ち込み可とはなっていますが、小ぶりのキャビネットと机、椅子を置ける程度の広さです。

 


バリアフリーのトイレ&シャワー室(洗面台付)。
シャワーは失禁などの際の清浄用として 使用されることがほとんど。入居者の尊厳を守るためにも不可欠な設備です。

 


冷蔵庫付のミニキッチン。家族が訪ねてきたときに、お茶などを淹れるために使用されています。

 


窓際に設置されたオイルヒーター。利用者に優しく安全な暖房システムです。

   


窓の外には白樺林が広がっています。

   


リビングも兼ねた広い廊下。

 


シックな色調の個室扉。10室ともすべて色を変えてあります。

 


表札代わりにもなるメモリアルボックス。

 


壁には入居者から寄贈されたリトグラフが飾られ、落ち着いた雰囲気をかもし出しています。

   


建物の東面にエレベーターを設置しました。

 


(2) 共有スペース
共有スペースはすべて1階に配置。入居者のほとんどは、1日の大半を1階の食堂兼リビングで過ごします。

・天井の高さに変化をもたせた、レストランのような雰囲気の食堂。

 


介護が必要な入居者やデイサービス利用者のための特別浴室。
入居者でこの介助機器を必要とする人は現在のところいないそうです。

 

一般浴室。手すり付浴槽。左右どちらに麻痺があっても自力で入浴ができるよう工夫されています。
扉は開口部を大きくとれる3枚のスライド扉。手すり付浴槽も、3枚扉も、麻植氏が松下電工と協同で開発したもの。

 
 


食事はベテラン主婦の調理スタッフが作る家庭の味。
見た目のおいしさも大切にしています。おやつは1日2回。

 


天気のよい日はスタッフが声をかけて散歩に出かけることが多いそうですが、この日はビデオ鑑賞。高視聴率をとったテレビドラマのビデオを皆さん食い入るように見つめていました。

   


ホームのアイドル的存在、猫のヴィット。ヴィットはスウェーデン語で「白」を意味します。
入居者の癒しになるよう、施設開設に合わせ人馴れするよう訓練したそうです。

 


建物外観。高原の風景に溶け込む外観デザイン。
将来的には食堂東面にバルコニーを造り、庭を整備し、屋外でのランチやバーベキューを楽しめるようにする計画です。

 


(3) 周辺環境  
茅野駅から車で約20分(約17km)。蓼科湖に通じるビーナスライン沿いにあり、目の前には雄大なアルプスの風景が広がっています。
すぐ近くに滝の湯温泉や、小津安二郎記念館があり、少し歩けば土産物店や食堂もあるなど、避暑地の静寂さに包まれながら、人里離れた寂しさを少しも感じさせない立地です。

 
 
小津安二郎記念館





  「パワーリハビリセンター」と名づけられたリハビリ室には、総額800万円をかけて導入した北欧製の最新のリハビリ機器が並んでいます。
パワーリハビリテーションとは、日常生活に必要な身体的パワーを増大させることで活動することへの自信や安心感をもたらし、活動的な生活を再び取り戻すことを目標とするリハビリテーションのこと。
要介護高齢者の要介護度を下げるだけでなく、健康な人の介護予防にも効果があるとされています。

パワーリハビリテーションでは、上肢、下肢、体幹、股関節などの筋群をそれぞれ専用の機器を用いて強化しますが、当施設が導入したのはフィンランドのHUR社製のマシンと、ノルウェーのノルディックセラピー社製のセラピーマスター。
国内メーカーの製品に比べればかなり高額ですが、北欧の医療・介護現場の視察を重ねるなかで、麻植氏がその目で効果を確認したものばかり。
茅野市はむろん、諏訪市も含めたこの地域一帯で現在、最も充実したリハビリ施設であるとの自信を持っています。

ただ、残念なことに、都市部と異なり、介護予防に対する住民の意識は低く、介護予防運動指導員の資格を持つスタッフがリハビリのサポートにあたり、啓蒙を図っているものの、入居者もデイサービス利用者もリハビリ施設の利用には目下のところ消極的です。
少しでも多くの人にその効果を実感してもらうことが、リゾートケアホーム蓼科を介護と介護予防の拠点として広く認知してもらうことにつながり、ひいては事業存続につながると考えています。

HUR社製のリハビリ機器。各利用者に最適な負荷によるリハビリができるほか、リハビリ経過を記録したり、プログラムを作成したりすることも可能。また、シンプルな省スペースデザインも特徴です。

 


世界各国の医療機関で筋機能強化や筋機能障害のリハビリ機器として採用されているセラピーマスター。
どんな種類の天井にも取り付け可能なこと、安全かつ、個々の利用者の状態に合わせて多様な使い方ができること、さらに安価であること。日本の介護現場にももっと普及させたい機器のひとつであると言います。

   





  協力医療機関は茅野市の矢嶋内科医院。その他、諏訪中央病院、諏訪日赤病院、茅野メンタルクリニック、茅野皮膚科医院、今井歯科(訪問歯科にも対応)、土橋整形外科等とネットワークを構築し、24時間緊急医療にも対応しています。

矢嶋内科医院は、病院に隣接してグループホームを開業していますが、立ち上げまでのプロデュースをしたのが麻植氏です。
矢嶋医師による訪問診療の他、現在、新潟労災病院の勤務医(内科一般、消化器内科)である麻植氏の息子さんが嘱託医として月1回の訪問診療に訪れます。矢嶋医師と麻植医師とのカンファレンスを通して入居者一人ひとりの健康を管理していくという、身内の無償の協力あってとはいえ、実に贅沢な医療体制を実現しています。

入居者10名(男性3名、女性7名)のうち、[要支援II]2名、[要介護I]1名、[要介護II]4名、[要介護III]2名、[要介護IV]1名。 平均年齢86歳。左下肢を失った車椅子使用者、肺気腫による在宅酸素使用者、統合失調症を含む重度の認知症など健康状況はさまざまですが、昼食の呼びかけに応じて階下の食堂に集まってきた入居者は皆、健康そうに見え、食欲も旺盛です。




(1) 「自分の親を入居させるとしたら…」というコンセプト
スタッフの目が届く規模、家族的雰囲気、充実した医療体制、充実したリハビリ設備、看取りまで対応する信頼のケア体制。大切な親を預ける子の視点から、これだけは絶対に満たしてほしいという条件をすべて満足させる施設を目指したと言います。
介護の「質」にこだわり続けてきた麻植氏が、そのモデルケースとして世に提示するために開設した施設ですが、開設から2年を経た現在、氏自身はひとつの完成形として見ています。  

ただ、ビジネスとして見た場合、個室10室は採算ぎりぎりの規模。
自然公園法で建蔽率を制限されている地域のためこの規模になりましたが、当初考えていたのは16室。
麻植氏が目標とする介護の質を維持しながら利益を追求できる規模だと言います。

(2) よいスタッフとは
介護スタッフを募集するにあたっては、2級ヘルパー以上の資格基準を設けましたが、現在の能力よりその将来性を重視したそうです。

麻植氏は、長年の病院勤務経験や、看護・介護教育を通して、この職業を目指す人たちは使命感が強いものの、思い込みによる独断に陥りやすい一面があることも知り尽くしています。
「入居者のため」と「自己満足のため」とを混同し、業務改善を訴えながら具体策を提案できずに業務を滞らせるケースをしばしば目にしてきました。
そうしたスタッフは早いうちに切る、それが施設を長期にわたって支えていく組織づくりの最大のコツだと言います。

サービス事業ではマンパワーが財産。
人材確保は、経営者が最も頭を悩ませる課題であるだけに、いったん採用したスタッフの進退問題にはつい弱気になりがちですが、顧客の利益第一優先を貫くことが、結果として、利用者や地域の大きな信頼獲得につながると、麻植氏は言います。

(3) スタッフの働きがいを創作
介護職に携わる人たちのなかには、若い人たちでも、営利法人で働くということの意味をきちんと理解していない人が少なくありません。
利益を上げるために何ができるかを、スタッフ一人ひとりが考え、自ら仕事をつくり出していってもらうためには、働きがいのある職場環境づくりが不可欠です。

その最大の要素となる給与については、他の企業と比べても見劣りしない額を支給。
各種保険料も含め、収入の50%以内を目安とし(年3カ月分のボーナスを除く)、「人件費を経費節減の対象にしない」を鉄則としています。
この他、小額ながらも職能手当てを設けています。現在、ヘルパー2級資格者には5000円を支給。介護福祉士資格者には2万円を支給する規定で、スタッフ全員の資格取得を奨励しています。その他の資格取得についても全面的にバックアップする方針で、希望者には各種の研修を履修する機会を積極的に与えています。

麻植氏は大阪を拠点に活動してきましたが、現在はホーム近くに住まいを借り、事業の運営にあたっています。3年はこの事業に専念する予定でいましたが、開設から2年目にしてほぼ軌道に乗り、スタッフに安心して任せられる状態になったと言います。残された課題は、デイサービス利用者をいかにして獲得するか。現在のスタッフでそれを達成する余力は十分にあると見ています。

(4)

地域のケアマネジャーの信頼をつかむ
入居希望者には少なくとも1ヶ月
間の検討期間を置くよう勧めましたが、全員が即、入居を望んだそうです。
それだけ緊急を要する状態に置かれていたとも言えますが、担当ケアマネジャーが「ここなら」という太鼓判を押したことも大きかったようです。
デイサービス利用者を通して、サービスの質の高さの評判が地域のケアマネジャーの間に口コミで広がり、それが集客の力となりました。また、入居者自身が、次の見学者に入居を勧めるなど、広告塔の役割を果たしてくれたそうです。  

売りにすべきは介護の質という「ソフト」。
小規模施設が生き残っていく道は、そこにしなかいことをあらためて確信したと言います。


(5)

最終目標は居宅介護  
スウェーデン型福祉の啓蒙と普及を目指してきた麻植氏にとって、リゾートケアホーム蓼科の開設は最終目標へ向けた第1ステップにすぎません。第2、第3ステップは、認知症の高齢者のためのグループホーム。麻植氏の頭の中にはその具体的な青写真がすでにできあがっています。
そして、最終的には、それらの経験と実績を土台に一人暮らしの高齢者を対象に、居宅のままの看取りも含めた居宅介護事業を展開する計画です。  

現在、嘱託医として事業をサポートしている麻植医師も、いずれはこの地で開業する予定で、リゾートケアホーム蓼科の協力医療機関である矢嶋内科医院とも連携しながら、居宅介護事業を成功させたいと考えています。  

日本の住宅市場において、ケアサービスについては、すべてのサービスの形が出揃い、今後は質の時代へ入っていくというのが麻植氏の見方。
団塊世代を中心に「高・専・賃(高齢者専用賃貸住宅)」のニーズがますます増大するなかで、いかに高品質の外部型ケアを確保するかがビジネスの焦点になると言います。
高齢化が進めば進むほど、居宅での看取りに対応できるほどのハイレベルな介護技術が求められるようになることは必至。目先の利益だけにとらわれてシニア住宅事業に参入しても、必ず淘汰されるときがくると警告します。



【その他】

 

■デイサービス利用増をはばむ立地
利益増のカギとなるデイサービスに関しては、市街地から車で片道30分という立地が壁になり、需要はあるものの、利用者増になかなか結びつきません。リハビリ施設の充実度とその効果を強力に訴求していくことで、このハンディを乗り越えたいとしています。現在10名足らずの利用者を30名に増やすことが目下の目標。

■スタッフ教育は外部機関に委ねる  
麻植氏は看護・介護の教育者として知られますが、経営者の立場にある同ホームでは、スタッフ教育は外部機関に委ねる方針をとっています。馴れや甘えが出るからというのがその理由。年間研修費の予算枠は設けず、スタッフが希望すれば、ほぼ無条件でその費用を援助しています。仕事の質の向上に還元されることを考えれば、費用対効果の高い先行投資だと言います。

■ケアはプロに任せる  
介護事業や介護付住宅分野への異業種からの参入がいっそう活発化するなか、経営者と現場の介護スタッフの意識の温度差は広がる傾向にあるようです。
麻植氏は、経営者は経営に徹し、医療とケアに関しては専門家に任せるという“分業”を提案しています。異業種経営者が管理できるのはハード部分、生き残りのカギとなるソフトは専門外の素人には担いきれないはずだからだと言います。  

これはあくまで麻植氏個人の見解ですが、医療・介護従事者には社会に奉仕・貢献したいという強い使命感を持つ人が多く、これからの経営者にはそれを“活用する”経営能力が必要であると言います。
多くの経営者が、活用どころか、現場に素人考えを持ち込むことで、やる気を喪失させているのが実情だとも言います。

団塊世代の医療・介護ニーズは、現在のところは軽度でも、いずれは重度が中心になる時代が必ずきます。
麻植氏の言うように、それに対応できるケアシステムを今からどれだけ構築することができるかが勝負と言えるかもしれません。麻植氏が目指す新しい形の居宅介護は、こうした時代の到来を見越した長期的事業計画でもあります。




 

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■ 2007年5月8日 訪問 ■

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[ご注意]
このレポートの情報には細心の注意を払っておりますが、内容の正確性を保証する ものではありません。
このレポートは、累計数百に及ぶ実地調査済み施設のうち、2006年4月以降調査した 物件をランダムかつ簡易に紹介しているものであり、当方による推薦等を意図した ものではありません。

 
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