【80代の男性Aさんは都内のマンションに一人暮らし。身内は海外在住の娘さんだけ。施設に入居せず、自分らしく自由に暮らしたいと今まで一人で生活してきたが、だんだんと身体が不自由になってきている。一人のときに倒れたらどうしたらいいのだろう?】
この例のように、高齢社会となった現在、シニアの方の一人暮らしが増えています。「元気なうちは人の世話にならずに生活したい」と施設への入居に消極的な方や、東京に住む子供が呼び寄せようとしても「住み慣れた街と家から離れるのは……」と躊躇する方も多いようです。とはいってもシニアの一人暮らしに不安や心配はつきもの。これらを少しでも解消できるよう、元気なうちから「老いじたく」をしてみてはいかがでしょう。今月はこの「老いじたく」に役立つさりげないサービスをご紹介します。
まず最初は(1)〈見守りサービス〉。これは離れて暮らす家族の生活の動きを携帯電話やパソコンでいつでもどこでも見守ることができるほっとラインです。たとえば、電気ポット(象印マホービン(株))やガス(東京ガス(株))の使用状況を1日2回メールで知らせたり、家の中に複数のセンサーを設置し、感知した在室状況を1日1回メールで知らせるサービスがあります(ナイス・ロケーションシステムズ(株))、((株)NTTマーケティングアクト)。また携帯電話でも充電すると家族へメッセージを自動送信するサービスもあります((株)NTTドコモ)。注意点はこれらはあくまでも日常の生活状況を確認することを目的としており、緊急通報サービスではないことです。
次は(2)〈安心確認サービス〉。たとえば、毎日電話をしてくれて、かならず本人と直接話し、緊急の場合には医療スタッフが助言をし、本人からセンターへの電話もいつでもOKというもの(安全センター(株))。一人暮らしの寂しさもこれで少しは解消されそうです。
さらに(3)〈緊急通報サービス〉。こちらは一秒を争う緊急事態にも対応可能なものです。シニアの家庭内事故による死因は、第一位「誤嚥」と第二位「溺死」第三位「転倒」。急なアクシデントに対応できるサービスとして、緊急再救急通報サービスがあります(『マイドクター』セコム(株))。万一の発作やケガをされた場合、ボタンを軽く握るだけで24時間助けを呼ぶことができます。必要に応じて救急車、ホームドクター、家族の緊急連絡先などに連絡を取るシステムです。首から下げられて操作も簡単なので、携帯電話が使えない方におすすめです。浴中や発作の持病をお持ちの方にも安心でしょう。
最後に全員にご準備いただきたいものが(4)〈パーソナルデータを書き込んだ『ケア・ダイアリー』〉。自分の健康や日常生活について、たとえば病歴、アレルギー、服用している薬などの情報を書き込んでおけば、搬送先の医師がより適切な処置ができます。私どもケアデザインプラザのスタッフが製作した『ケア・ダイアリー』(銀座「伊東屋」にて販売)は使いやすく書き込みもしやすくなっています。
番外編として、これはシニア向けのものではありませんが、私の両親が体調不良時の試みにも赤ちゃん用のコール機能付音声モニターがあります。赤ちゃんの泣き声に気づくために音だけを拾うものですが、うちではこれをお風呂に設置し、父が入浴中にスイッチを入れてザブザブいっている音で「ちゃんと入っているな」と別室の母にわかるようにしています。父は「俺は盗聴されている」なんて笑っていましたが、安心で楽しい盗聴ですよね。(配線不用モニターは電荷店で数千円で購入できます)
いかがでしょう、その方の状況に応じたさまざまな「老いじたく」があることがおわかりいただけたと思います。上手に活用して、より安心できるシニアライフをお過ごしください。
(
東京セレブの新・スタイルマガジン 『apple』
2007年4月号より)
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