シニアの住まいは“何がなんでも家族が、嫁が、同居し看る”といわれた時代からは大きく変化しています。世間体や古い概念に捉われず、家族がお互いを思いやりながら本当に必要なことを考えられる時代への変化であることを願います。
今回は「住まい」について、将来ますます活動的な暮らしを楽しむために住み替えをしたご夫婦のケースを紹介しましょう。
【プロフィール】
Aさん夫妻60代。都内在住。郊外への転居を検討中。ご主人は定年退職し、子供も自立。将来も子供の世話になることは考えていない。奥様は海外のボランティア活動を行うなど知的ではつらつとした印象。
【相談内容】
横浜市内の馴染みのある地域へ転居を検討中。今後どちらかが介護になったことを考えると一般の分譲マンションへの転居はサポートがなく心配。住まい選びにどのような選択があるのか。またこの地域の医療(特に在宅診療)・健康・介護関連(家事支援・食事デリバリーなど)のサービスは充実しているか?
【コンサルティング】
Aさん夫妻はニーズを明確にしている方でした。相談に訪れる方は早急に具体的なシニアホーム等の情報やリストを要求する方がいますが、まずどんなことを望んでいるのか、ニーズを明確にすることが大切です。たとえば、《Q1.入居の時期 Q2.誰と? Q3.地域は? Q4.どんな生活をしたい? Q5.予算は? Q6.現在の健康状態は? Q7.入居期間は? Q8.家族の意見は?》
次にホーム探しのステップアップです。《自分のニーズ確認→シニアホームの種類やサービス、選び方などの知識を持つ→情報収集→資金計画から入居可能なホームをピックアップ→資料を請求、検討→ホームの実地見学→体験入居→重要事項説明書の確認→疑問点の確認→契約→入居》。
Aさん夫妻は現在お元気なので要介護の方が多い介護付有料老人ホームへの入居は抵抗があります。かといって通常のマンションでは不安を解消することはできません。民間会社の経営するシニア住宅への入居と一般分譲マンションへの入居を比較検討した結果、24時間緊急対応が可能、食事のサポートが得られる(共有ダイニング利用)シニア住宅を選択しました。またこの地域には掃除や調理などの家事支援サービスや食事のデリバリーサービスが充実し、希望している在宅診療が可能な内科クリニックがあるため、転居を決めるうえで安心、納得の材料になったようでした。
シニア住宅は家事や食事などの生活支援サービスを提供する高齢者向け住宅で原則は自立高齢者が入居可能です。(財)高齢者住宅財団が認定し、地方住宅供給公社や民間会社等が認定をうけ運営しています。外観は一般のマンションと変わりませんがハード面はバリアフリー設計、ソフト面は緊急対応、安否確認、生活健康相談といった生活関連サービスがあります。賃貸住宅と利用権方式 の住宅があり、入居金は数百万円〜数千万円と幅広く支払方法も一括払いと一部月払い併用方式などがあります。住み替えを検討する際に地域にどのようなサービスがあるのか(住まい、行政、在宅サービス、医療機関、地域住民ネットワークなど)を調べ、地域マップを描くことは大変有効です。
Aさん夫妻は入居後、サークル活動に参加したり近隣大学の講座に通い、近隣のスポーツクラブで健康管理や運動と快適に生活している様子。いつも誰かに相談できる安心感は大きく、多少費用が高くて居室が狭くなってもシニア住宅を選んでよかったとお便りをいただきました。
住みやすい環境や住宅は高齢期だからこそ必要です。正しい情報や知識を得て、自分らしく快適に暮らせる生活の場を選びましょう。
(
東京セレブの新・スタイルマガジン 『apple』
2007年2月号より)
第4回
高齢期の住まい。(1)
第6回
シニアライフ
心の旅のススメ
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