三井不動産のケアデザインプラザ 三井不動産のケアデザインプラザ

ケアデザインLabo トップへ

三井不動産
三井不動産
 
ケアデザインプラザ

川上由里子の「シニアのはなし。」

第3回 食事と日常 生活の基本は食にあり。楽しめる工夫が必要です。
東京セレブの新・スタイルマガジン「apple」


皆さんのまわりのシニアの方々は食事をきちんととっていますか?楽しんでいますか?「食べることは人間の尊厳です」。上智大学で「死の哲学」を教えているアルフォンス・デーケン教授によると、動物は“肉体衰弱のうちに死にいたる”ものですが、人間は“肉体が衰弱しても精神的・人間的に成長しつづけ尊厳に満ちた死を迎える”のだそうです。元気な肉体を維持し、精神的・人間的な成長をつづける豊かなシニアライフを送るためにも、「食べること」の意味をあらためて考えてみましょう。

「食べること」はどの生き物もしますが、人間と他の生物との遣いは何でしょう?ヒントは人間は考える力・想像力があるということ。他の生物は獲物やえさをそのまま食べますが、人間は“食事を作る・調理する”という能力を持っていることです。ここに、“尊厳”の意味があります。

まず、食事を作る営みは頭を使います。献立を考えるために、誰と食事をするのか、どこで食べるのか、食事の状況を想像します。自分の分だけならまだ簡単ですが、友人や家族がいたらその人のことも考えるでしょう。

次に食材を選び、買い物へ行きます。そして下準備を調理手順の段取りを考えながら行い調理にとりかかります。

このように“食事を作る”という行為だけをみても頭のみならず、手足、からだ全体をフルに使って行われていることがわかります。「食べること」は肉体雑持プラスアルファの意味を持つものであることは想像できますね。

とはいっても、シニアの年齢になってくるとからだが思うように動かなかったりして、食事作りに関する一連の作業に負担を感じることも仕方がありません。ほかにも、食欲が若い頃ほど感じられなくなったり、岨哺したり飲み込む力が弱くなっている、水分を摂ることによるトイレの不安などからも「食べること」に対して消極的になる方も。では、食事摂取量が低下するとどのような影響が出てくるのでしょう。

必要な栄養素が不足してくると抵抗力・免疫力の低下から風邪などの感染症になりやすくなる、栄養障害が進むと皮膚が弱くなり床ずれになりやすくなる、血清・タンパクの低下から全身のむくみや浮腫ができやすくなるなど。

こころへの影響は、体重や体力が落ちることから生活意欲の低下、このまま弱っていくのではないかという不安や焦り、満たされる幸福感が得られないなど、日常生活動作の低下、しいてはQOL(生活の質)全体への影響が出ます。

ではシニアは食生活をどうしたらいいでしょう。まずは、正しい食事と生活のリズムを作りましょう。とくに食事では多くの方が肉や魚を控えがちですが、前述したようにタンパク質は健康な筋組織や皮膚細胞を保つために必要です。買物や調理に負担がある時にはさまざまなサービスや商品を活用してはいかがでしょう。たとえば、健康食・介護食・シニア対応食の宅配、シニア向けレトルト食品を利用した調理など、個人の状態に合わせてオーダーできるのもありとても便利です。ホームヘルプ(調理や片づけの支援)、といったサービスの活用という方法もあります。また、家族や友人たちと食事会をして楽しめる雰囲気作りを考えるのもいいですね。

「食べること」から広がる豊かさ、喜びを生きがいにしましょう。



東京セレブの新・スタイルマガジン 『apple』 2006年12月号より)


  第2回
外出と旅行。
ケアデザインLabo トップへ


 

Copyright Mitsui Fudosan Co.,Ltd. All Rights Reserved.

当サイト内の記事、文章、内容等の無断での転載、複製は固くお断り致します。