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シニア期には、人生のターニングポイントが大きく分けて2つあります。1つ目は「子供の自立→夫婦二人暮らし」。2つ目は「配偶者の介護→一人暮らし(配偶者の他界)」です。
人生90年時代のシニアライフを豊かに安心して過ごしていくためには、ターニングポイントに立った際、その状況に住環境をどのように合わせられるかが、重要な鍵を握っています。子育て向きの住まいから夫婦二人が安心して暮らせるバリアフリー住宅へ。リフォームや建て替えなど、日々の暮らしの器である住居はもちろん、万一の際、誰が面倒を看るのか?介護が必要になった時を見越して、サポートする家族や施設を想定しておくことが大切です。
今は元気だとしても、年齢を重ねるにつれ健康面での不安は増大していきます。体調不良時に家事を手伝ってもらう、病院に付き添ってもらうなどの手助けが必ず必要になります。一人暮らしになった際の不安も、自分を支えてくれる環境が整っていれば軽減します。
万一、介護が必要になった時、65歳以上の人は誰に頼みたいと考えているのか?「内閣府<高齢者の健康に関する意識調査>」※1によると、男性は「配偶者」の割合が80.7%と最も多く、次に子供の49.1%、ホームヘルパー28.1%と続き、女性は「子供」が63.1%、「ホームヘルパー」45.3%、「配偶者」35%となっています。男女に多少の違いが見られるものの、いずれも配偶者もしくは子供といった“家族”に介護を頼みたいと考えており、今現在、実際に介護を行っているのも、要介護者と同居する家族(配偶者・子供及びその配偶者)が60%を占めています※2。
『元気なうちは夫婦二人で暮らし、身体が弱ってきたら子供たちの世話になろう』と考えている方も多いようですが、いざ介護が必要となってから、子供世帯が親の面倒を見る環境を整えることは非常に困難です。二世帯同居または同じ町内や市内で暮らす近居、あるいは遠距離介護の方法など、先々に向けた準備を早めに心がけ、コミュニケーションを深めておくことが望ましいと言えます。
都市部において親子二世帯がのびのびと暮らせる住環境を整えるのは、土地スペース上の制約もあり、なかなか難しいものです。そこで近年高まりをみせているのが、親と子がスープの冷めない距離で暮らす“近居”というスタイル。まだまだ元気なうちは、子供世帯と適度な距離を保ちながら、自分たちのライフスタイルで生活や趣味を楽しみたいと考える親世帯も増え、独立した暮らしを維持しながら困ったときに助け合うことができる近居が支持されています。
また、近居というと親の元へ子供を呼び寄せるイメージがありますが、親世帯が郊外の自宅を売却し、都会で暮らす子供の近くのマンションなどへ引っ越してくるケースも見受けられます。
都心は、郊外より病院が多く、いざという時も安心です。また交通アクセスもよく、映画館や劇場、美術館などの文化施設をはじめ、多種多彩なショッピング施設が整っているので、アクティブなライフスタイルを好む団塊シニアのニーズに合っています。
親世帯と子供世帯が身近に支え合える近居・同居は、理想的なスタイルですが、誰もがその条件を満たせるとはかぎりません。遠方で暮らす親に生活支援や介護が必要になってきた時、多くの子供世帯は、自分の家の近くへ来てもらう“呼び寄せ”を考えると思われますが、『地元の友人や親戚と別れたくない』などの理由から、長年住み慣れた土地を簡単に離れられない親もいるはずです。子供世帯が故郷へ帰る“Uターン”も、仕事や子 供の教育環境、住宅ローンなど課題が多く、現実的ではありません。
そこで、やむを得ず選択するのが「遠距離介護」。遠方に住む親に介護が必要になった時、地域の総合窓口である「地域包括支援センター」に相談。介護保険制度をはじめ、安心して生活するために必要なサービスを手配します。随時、担当のケアマネジャーや親のかかりつけ医、近所の知人などと連絡をとり、サポートしてくれるネットワークを作っておくと安心です。
高齢の親と離れて暮らすことに罪悪感を持つ方もいらっしゃいますが、“ついのすみか”を住み慣れた土地に求める親の気持ちも大切にし、親子それぞれが互いの生き方を尊重しながらケアをコーディネートするのも立派な親孝行と言えるでしょう。
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